【第87回選抜高校野球大会・4日目】
○ 県岐阜商 4 － 1 松商学園 ●
＜3月24日　1回戦＞

　秋季東海地区準優勝で2年ぶり28度目の出場となった県岐阜商（東海/岐阜）と、秋季北信越地区大会準優勝で24年ぶり16度目の出場を勝ち取った松商学園（北信越/長野）による大会4日目の第2試合は、県岐阜商が4－1で勝利。プロ注目右腕・高橋純平がその能力の高さを見せ、9回を2安打1失点で完投勝利を挙げた。

　試合が動いたのは2回表、県岐阜商が連打と四球で無死満塁のチャンスを作ると、8番の高橋が死球を受け、押し出しで1点を先制する。

　しかしその裏、松商学園は一死からセンター前へ落ちる安打でこの試合初のランナーを出すと、続く打者の一二塁間への打球を県岐阜商の二塁手・坂下令穏（3年）が後逸。一死一三塁とチャンスが転がり込む。

　この場面で、足立監督はセーフティースクイズを指示。7番の酒井俊樹（3年）がこれに応え、直球を上手く一塁側へと転がし、その間に三塁走者が生還。好投手・高橋から1点をもぎ取り、試合を振り出しに戻す。

　同点で迎えた4回表、県岐阜商は二死からの連打で一二塁のチャンスを作る。迎えるは前の打席無死満塁から併殺、さらに2回の守備では失点に繋がる失策を犯した坂下。

　外寄りのスライダーを見極め、カウント2－2からの5球目、甘く入ったスライダーを振りぬくと、打球はレフトスタンドへと飛び込む勝ち越しの3ラン。ミスを挽回する一振りで、県岐阜商が大きな大きな3点のリードを奪った。

　援護を受けた高橋は140キロ台前半から中盤の直球にスライダー、カーブといった変化球を効果的に織り交ぜる緩急自在の投球が光り、4回以降は一人の走者も許さぬ投球。パワーだけでない完成度の高さを見せつけ、9回を1失点で完投勝利を挙げた。

　勝利した県岐阜商は2回戦進出。8日目の第1試合でこのあと行われる近江（近畿/滋賀）と九産大九州（九州/福岡）の勝者と激突する。

高橋純平（県岐阜商/3年）

9回110球 被安打2 与四球1 奪三振11 失点1
☆最速150キロ[初回：2球目]