ニュース 2015.04.17. 16:10

OP戦14試合で9発!カブスの怪物が“予定通り”の12日遅れメジャーデビューへ

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いよいよ明日、メジャーに昇格するカブスの怪物・ブライアント[Getty Images]
 全米注目の怪物スラッガーが、ついにベールを脱ぐ。

 オープン戦14試合で9本の本塁打を放ちながらも、マイナーで開幕を迎えたカブスのクリス・ブライアントが、明日からメジャーに昇格。自らのTwitterで「言葉にできない。とにかくこれからの“旅”に向けてとても興奮している」と率直な思いを綴った。

 オープン戦では14試合で打率.425、9本塁打で15打点。1.652という驚異的なOPS(※出塁率と長打率を足した、打者の能力を計る指標)を叩き出した23歳のスラッガー・ブライアント。全米がその一挙手一投足に注目し、“球団の未来”と言われるほどこれからのキャリアを嘱望された若者のデビューが遅れたことにはある理由があった。

 それが、FA権の問題。6年間メジャーに在籍すると得られるFA権だが、“サービスタイム”という制度があり、メジャーに1年間在籍したとカウントされるための必要登録日数として172日という数字が設けられている。
 
 そこで、球団が採る方法としてポピュラーなのが、デビューを少し遅らせるということだ。デビューを遅らせることで、必要な登録日数に到達不可能とすれば、有望な選手の年俸調停権やFA権の取得を1年先送りにすることができる。若手有望選手を1年でも長く保有するための一種のこういった“戦略”は、アメリカではしばしば見受けられる。

 今回ブライアントのような超新星が出現したことで、この一件は選手会を巻き込む問題にまで発展。選手会は「野球界にとって悪い一日だ」と抗議声明を発表したが、カブスのエプスタイン編成担当取締役は「今はこれが正しい判断」とし、ブライアントのマイナースタートを決定した。

 というわけで、“予定通り”の12日間をマイナーで過ごしたブライアント。マイナーでは7試合の出場で打率.321、3本塁打、10打点と貫録の数字を残し、満を持してメジャーの舞台に立つ。

 カブスの未来であり、メジャーリーグの未来とも期待される逸材が踏み出すキャリアの第一歩に要注目だ。

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