ニュース 2015.05.09. 20:35

左ギライが左キラーに!西武の19歳・森友哉、覚醒の秘密

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19歳にして指名打者専任。成長著しい西武の森友哉 ©BASEBALLKING
 現在パ・リーグの首位を走る西武。9日の試合で敗れ、連勝は7でストップしたものの、5月は8戦7勝1敗と驚異的な強さで駆け抜けている。

 チームを首位に押し上げる原動力となっている一人が、プロ2年目の19歳・森友哉。他の5球団を見てみても、指名打者といえば外国人が入ることが多く、なかなか固定されていないというチームがほとんどな中、森はここまでの33試合全てに指名打者として出場している。

 高卒から2年で打撃専門のポジションを手中に収めるというのは極めて異例なケースであるが、それを納得させてしまうだけの結果を残しているのも事実。

 森はここまで33試合の出場でリーグ3位の打率.328、本塁打は4位タイの7本、打点は7位の20と3部門全てでトップ10に名を刻んでおり、長打率.598は堂々のリーグトップ。くどくなるが、これが高卒2年目の19歳が残している数字である。

 今シーズンの飛躍につながった要因のひとつに挙げられるのが、“対左投手の克服”だ。

 昨シーズンの森は、右投手に対しては62打数の19安打で打率.306、6本塁打という数字を残していたものの、対左となると18打数でわずかに3安打。打率.167で本塁打は0だった。

 ところが、今シーズンは右投手に対して94打数の23安打、打率にして.245と昨年よりも数字を下げている中、左投手に対しては28打数17安打。打率.607という驚異的な打率を残し、本塁打も3本放っている。

 森の対左打率はもちろんリーグトップの数字(※規定打席到達)。続くのがチームメイトで打率リーグトップの秋山翔吾で.405、さらに日本ハムの田中賢介と楽天の松井稼頭央が.400となっていることからも、どれだけ森が図抜けているのかが分かる。

 キャンプでは宮地克彦コーチと二人三脚で対左の克服に取り組むも、オープン戦ではまさかの大不振で3月10日に二軍降格も経験するなど、開幕一軍すら危ぶまれたこともあった。それでも、そんな苦境も乗り越え、這い上がってきた男の努力は実を結び、今や打線に欠かせない選手に成長を遂げた。

 最後に気がかりな点を挙げるとするならば、本業である捕手としての出場が一度もできていないということ。月末に交流戦を控え、指名打者が使えないというシチュエーションも出てくるが、この打撃は捨てがたいというのは誰もが思うところであろう。田辺徳雄監督をはじめ、チームがどのような決断を下すのかに注目が集まる。

 首位をひた走るチームの中で、その打撃でファンに希望をもらたす“19歳の指名打者”森友哉から目が離せない。

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