コラム

西武ライオンズ・森友哉「打てる捕手 冬の時代の救世主」とは?

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新時代の「打てる捕手」として期待がかかる森友哉 ©BASEBALLKING
森友哉 ,

「次代の打てる捕手」の座を巡る争いの始まり...


 絶対的捕手、不在の時代だ。

 07年限りで古田敦也(元ヤクルト)が現役を退き、3年前には城島健司(元阪神)も故障で引退、そして2015年から阿部慎之助(巨人)が1塁コンバート。打率3割30本塁打近い成績を残し、守ってはゴールデングラブ賞も獲得。そんなスーパーキャッチャーが球界から消えた。

 昨シーズンは打撃絶不調だった阿部の19本塁打、57打点が12球団の捕手ではトップ。皮肉にも、その阿部のコンバートで貴重さが再認識された感のある「打てる捕手」の存在価値。

 今後しばらく、4番打者を任せられるような守備の要は出現しないのかもしれない。と言っても、捕手だけは外国人選手で穴埋めするのは難しく、ドラフトで指名しても育成には時間が掛かる。俺たちの「打てる捕手」終わっちゃったのかなあ。いや、あの男はまだ始まっちゃいねえよ。そう西武ライオンズの森友哉である。

 ルーキーイヤーの昨年は高卒新人46年ぶりとなる3試合連続本塁打をかっ飛ばし、41試合に出場して打率.275、6本塁打、15打点。出塁率と長打率を足したOPSは.945と1年目としては充分すぎる成績を残した。

 ポジションを争うライバルの炭谷銀仁朗は14年リーグトップの盗塁阻止率.444を記録(森は阻止率.278)。その強肩やキャッチングといった守備能力では球界屈指の存在だが、プロ9年間の平均打率は.204と打撃に大きな課題を残す。

 森の図抜けた打力というのはレギュラーの座を掴むのに大きな武器となるはずだ。そこで「捕手」ではなく、「高卒2年目のスラッガー」として森を見てみよう。近年の高卒選手の2年目を数字でドン!

・大谷翔平(日本ハム/14年) 87試 率.274 本10 点31 OPS.842
・筒香嘉智(DeNA/11年) 40試 率.241 本8 点22 OPS.782
・中田翔(日本ハム/09年) 22試 率.278 本0 点1 OPS.623
・坂本勇人(巨人/08年) 144試 率.257 本8 点43 OPS.651
 
 えっ?坂本ってスラッガー?あ、すいません。4年目に31本塁打を記録しているのでリストに挙げさせてもらいました。DH制があるパリーグでは、恐らく森の出場機会は1年目よりも飛躍的に増えるだろう。果たして、その数字をどこまで伸ばすのか?ちなみに20本塁打以上を記録すれば、高卒2年目の選手としては94年の松井秀喜(巨人)以来の快挙となる。

 昨シーズン、規定打席未到達ながらも打率.307、10本塁打をマークした会沢翼(広島)。99試合に出場して打率.298をマークした中村悠平(ヤクルト)。大学日本代表で4番を任せられ、ルーキーイヤーに7本塁打、21打点をマークした梅野隆太郎(阪神)。そして、19歳の森友哉。スーパーキャッチャー阿部慎之助時代の終焉。それは同時に「次代の打てる捕手」の座を巡る争いの始まりでもある。

文=中溝康隆(なかみぞ・やすたか)
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