昨年は終盤の猛追で2位に滑り込み、鬼門であったCSでは巨人相手に4連勝を収めて日本シリーズ進出も果たした阪神。
日本シリーズではソフトバンクを相手に苦杯を舐めたものの、大活躍の助っ人4人に加えてメジャーと日本の狭間で揺れていた鳥谷敬の留意にも成功。球団創設80周年のメモリアルイヤーを迎える今シーズンへの期待は高まるばかりであった。
そんな中、迎えたシーズン開幕。出だしこそ球団史上初の開幕から2試合連続サヨナラ勝ちを挙げるなど、最高のスタートを切ったかに見えた。
ところが、そこからまさかの8カード連続で勝ち越しなし。
4月28日からヤクルトを相手に3連勝も、次のカードで巨人に2連敗。5月4日からの中日との3連戦は初戦を落とすも、連勝でカード勝ち越しを収めながら8日からの広島との試合で3連敗。流れに乗りきれない戦いが続き、ついに単独最下位に転落した。
10試合以上を消化した段階での単独最下位というのは、2011年の6月8日以来、実に4年ぶりのこと。創設80周年という記念すべき年に、和田監督は就任以来初の屈辱を味わうこととなってしまった。
今シーズンの阪神を振り返ると、目立った主力の離脱なく、オーダーが代わったのは1番のところと、調子が上がらないマートンが6番に下がって福留が5番に上がったこと。固定できていないのはセンターだけというような形で、故障や不振による離脱者が続出している巨人や広島といったあたりと比べると、コマは欠けずに揃っている方であるといえる。
にも関わらず、ここまでのスタッツを見てみると、チーム打率(.207)、得点数(105)、防御率(4.06)、失点数(157)、さらには本塁打(12)、盗塁数(11)とすべてがリーグワーストの数字。どこがというよりも、とにかく走攻守すべてにおいて苦しんでいることが見て取れる。
ほぼベストメンバーが揃いながらも、どこで歯車が狂ってしまったのか。ここまでの阪神の誤算に迫っていきたい。
● 頼みの助っ人陣が軒並み不調
昨シーズン、終盤の快進撃を支えた大きな原動力となったのが“助っ人カルテット”の活躍。最多勝と最多奪三振の二冠に輝いたメッセンジャーをはじめ、移籍初年度で最多セーブのタイトルを獲得した呉昇桓や、こちらも加入初年度ながら打点王になったゴメス、そして悲願の首位打者を獲得したマートンと、この4人の団結力素晴らしかった。
ところが、今シーズンは特に“投打の柱”であるメッセンジャーとマートンの調子が上がらない。
メッセンジャーは開幕投手も務めながら、ここまで8試合で2勝5敗と大敗。防御率は5.88とそこに昨年までの面影はなく、ついにはチームに背くような“問題行動”も目につくようになり、ついに11日、登録を抹消された。
マートンも同様で、昨年は.338のハイアベレージを残したマートンも今シーズンはここまで打率.233と低迷。ついにはスタメン落ちまで経験するなど、和田監督も起用法に頭を悩ませている。
● 鉄壁誇ったリリーフ陣が...
また、昨シーズンのCSから日本シリーズを見ていく上で、話題となったのが阪神が誇る盤石のリリーフ体制。安藤、福原、呉昇桓という方程式に左の高宮を加えた体制で短期決戦を見事に駆け抜けていた。
ところが今年は、福原と呉昇桓こそ気を吐いているものの、安藤は防御率4.50、高宮は3.00と昨年に比べて苦しい投球が目立ち、期待の4年目・松田遼馬も突如として荒れる面を持ち、ベテランたちに取って代わることができていないというのが現状だ。
● エースとして期待がかかった3年目の藤浪晋太郎
最後は、苦悩の時期を過ごしている3年目・21歳の藤浪晋太郎。同学年の大谷翔平が開幕投手を務め、そこから破竹の勢いで開幕5連勝を記録。3・4月の月間MVPに輝いた中、藤浪はもがき苦しんでいた。
7試合に登板して1勝4敗。完投を2つ記録し、防御率も3.20とさほど悪くはないのだが、被安打はリーグワースト2位の51本、失点もワースト2位の25点。チームにいい流れを呼びこむ投球ができているとは言い難い。
チームも自身も苦しい時期を乗り越え、エースとして成長して行くことができるか。最下位からの巻き返しに藤浪の覚醒は不可欠だ。
5月11日時点で借金5つ。まだまだ長いシーズンは108試合ほど残っているとはいえ、伝統的にあまりいいイメージのない交流戦も控えており、うかうかしていられる状況ではない。
トレードや緊急補強の噂まで流れるまさに緊急事態の阪神は、創設80周年のメモリアルイヤーをどうにかして巻き返して終えることができるだろうか。
日本シリーズではソフトバンクを相手に苦杯を舐めたものの、大活躍の助っ人4人に加えてメジャーと日本の狭間で揺れていた鳥谷敬の留意にも成功。球団創設80周年のメモリアルイヤーを迎える今シーズンへの期待は高まるばかりであった。
そんな中、迎えたシーズン開幕。出だしこそ球団史上初の開幕から2試合連続サヨナラ勝ちを挙げるなど、最高のスタートを切ったかに見えた。
ところが、そこからまさかの8カード連続で勝ち越しなし。
4月28日からヤクルトを相手に3連勝も、次のカードで巨人に2連敗。5月4日からの中日との3連戦は初戦を落とすも、連勝でカード勝ち越しを収めながら8日からの広島との試合で3連敗。流れに乗りきれない戦いが続き、ついに単独最下位に転落した。
10試合以上を消化した段階での単独最下位というのは、2011年の6月8日以来、実に4年ぶりのこと。創設80周年という記念すべき年に、和田監督は就任以来初の屈辱を味わうこととなってしまった。
今シーズンの阪神を振り返ると、目立った主力の離脱なく、オーダーが代わったのは1番のところと、調子が上がらないマートンが6番に下がって福留が5番に上がったこと。固定できていないのはセンターだけというような形で、故障や不振による離脱者が続出している巨人や広島といったあたりと比べると、コマは欠けずに揃っている方であるといえる。
にも関わらず、ここまでのスタッツを見てみると、チーム打率(.207)、得点数(105)、防御率(4.06)、失点数(157)、さらには本塁打(12)、盗塁数(11)とすべてがリーグワーストの数字。どこがというよりも、とにかく走攻守すべてにおいて苦しんでいることが見て取れる。
ほぼベストメンバーが揃いながらも、どこで歯車が狂ってしまったのか。ここまでの阪神の誤算に迫っていきたい。
● 頼みの助っ人陣が軒並み不調
昨シーズン、終盤の快進撃を支えた大きな原動力となったのが“助っ人カルテット”の活躍。最多勝と最多奪三振の二冠に輝いたメッセンジャーをはじめ、移籍初年度で最多セーブのタイトルを獲得した呉昇桓や、こちらも加入初年度ながら打点王になったゴメス、そして悲願の首位打者を獲得したマートンと、この4人の団結力素晴らしかった。
ところが、今シーズンは特に“投打の柱”であるメッセンジャーとマートンの調子が上がらない。
メッセンジャーは開幕投手も務めながら、ここまで8試合で2勝5敗と大敗。防御率は5.88とそこに昨年までの面影はなく、ついにはチームに背くような“問題行動”も目につくようになり、ついに11日、登録を抹消された。
マートンも同様で、昨年は.338のハイアベレージを残したマートンも今シーズンはここまで打率.233と低迷。ついにはスタメン落ちまで経験するなど、和田監督も起用法に頭を悩ませている。
● 鉄壁誇ったリリーフ陣が...
また、昨シーズンのCSから日本シリーズを見ていく上で、話題となったのが阪神が誇る盤石のリリーフ体制。安藤、福原、呉昇桓という方程式に左の高宮を加えた体制で短期決戦を見事に駆け抜けていた。
ところが今年は、福原と呉昇桓こそ気を吐いているものの、安藤は防御率4.50、高宮は3.00と昨年に比べて苦しい投球が目立ち、期待の4年目・松田遼馬も突如として荒れる面を持ち、ベテランたちに取って代わることができていないというのが現状だ。
● エースとして期待がかかった3年目の藤浪晋太郎
最後は、苦悩の時期を過ごしている3年目・21歳の藤浪晋太郎。同学年の大谷翔平が開幕投手を務め、そこから破竹の勢いで開幕5連勝を記録。3・4月の月間MVPに輝いた中、藤浪はもがき苦しんでいた。
7試合に登板して1勝4敗。完投を2つ記録し、防御率も3.20とさほど悪くはないのだが、被安打はリーグワースト2位の51本、失点もワースト2位の25点。チームにいい流れを呼びこむ投球ができているとは言い難い。
チームも自身も苦しい時期を乗り越え、エースとして成長して行くことができるか。最下位からの巻き返しに藤浪の覚醒は不可欠だ。
5月11日時点で借金5つ。まだまだ長いシーズンは108試合ほど残っているとはいえ、伝統的にあまりいいイメージのない交流戦も控えており、うかうかしていられる状況ではない。
トレードや緊急補強の噂まで流れるまさに緊急事態の阪神は、創設80周年のメモリアルイヤーをどうにかして巻き返して終えることができるだろうか。