“ハタチの怪物”がまたしても圧巻の投球を披露した。

　日本ハムの大谷翔平は、旭川で行われたロッテ戦で9回をわずか3安打、11奪三振で完封勝利。チームの連敗を5で止め、両リーグトップの9勝目を挙げた。

　進化が止まらない大谷を見て、過去の怪物投手たちに思いを馳せるファンも少なくないはず。そこで、日本を沸かせた怪物投手たちの高卒3年目の成績と、大谷翔平のここまでを比較してみた。
　
　対象は、高卒ルーキーで2ケタ勝利という偉業を成し遂げた松坂大輔（現ソフトバンク）、田中将大（現ヤンキース）の2人と、大谷が背番号を引き継いだ北のエース・ダルビッシュ有（現レンジャーズ）の3人。比べてみると、あるひとつの数字が浮かび上がった。

　それが「15勝」。松坂もダルビッシュも田中も、高卒3年目は3人揃ってピッタリ15勝で終えているのだ。

　それぞれ負け数や奪三振数、防御率は違えど勝利数だけは揃って終えているだけに、この高卒3年での「15勝」という数字は、大谷も3人と同様に球界を代表する投手へと成長していくにあたってクリアしなければいけないラインであると言える。

　また、個別に見ていって光るのが松坂の214奪三振と、ダルビッシュの防御率1.82という成績。大谷はこの2つを超えることができるのか、というところも見どころのひとつとなる。

　ここまで11試合で99個の三振を奪っている大谷。79回2/3というイニング数をゆうに越える奪三振を誇り、9回を完投したと仮定した場合の平均奪三振数を表す「奪三振率」は11.18を記録している。

　1試合平均の9つで見積もったとしても、あと13試合で松坂の数字は超えることが出来る計算となり、ケガなどでの離脱がなければ9月下旬にも達成できる見込みとなっている。

　日本を代表する投手となり、世界を羽ばたいていった怪物の先輩たちを超えられるか…。大谷翔平の挑戦から目が離せない。

● 松坂大輔
1年目：25試（180回） 16勝5敗　奪三151　防2.60
2年目：27試（167回2/3） 14勝7敗　奪三144　防3.97
3年目：33試（240回1/3） 15勝15敗　奪三214　防3.60

● ダルビッシュ有
1年目：14試（94回1/3） 5勝5敗　奪三52　防3.53
2年目：25試（149回2/3） 12勝5敗　奪三115　防2.89
3年目：26試（207回2/3） 15勝5敗　奪三210　防1.82

● 田中将大
1年目：28試（186回1/3） 11勝7敗　奪三196　防3.82
2年目：25試（172回2/3） 9勝7敗　奪三159　防3.49
3年目：25試（189回2/3） 15勝6敗　奪三171　防2.33

● 大谷翔平
1年目：13試（61回2/3） 3勝0敗　奪三46　防4.23
2年目：24試（155回1/3） 11勝4敗　奪三179　防2.61
3年目：11試（79回2/3） 9勝1敗　奪三99　防1.47（6月24日時点）