ニュース 2015.08.12. 07:00

新たなライバル対決の誕生? 岸vs大谷、「11」を背負いし2人の投げ合い

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背番号「11」にまつわる新たなライバル物語が誕生? ©BASEBALLKING
 チームを背負う男の意地。いつの時代もペナントレースを盛り上げて来たのが、エースによる“ライバル対決”だ。

 エースといえば、カード頭を任されることが多く、曜日さえ合えば必然的に同じ巡り合わせとなって投げ合う回数も多くなる。今シーズンは、セ・リーグでは巨人の菅野智之と広島の前田健太がここまでで4度もハイレベルな投げ合いを演じ、いずれも僅差の投手戦になったことが話題になった。

 一方で、パ・リーグの方はというと開幕に出遅れたオリックスの金子千尋や西武の岸孝之、不振で二軍落ちを経験したソフトバンク・摂津正、思うように勝ち星を伸ばせない楽天・則本昂大などなど、各球団のエースが苦戦を強いられた前半戦に。エースらしい活躍を見せたのは日本ハムの大谷翔平くらいであった。

 そんな中、ここに来てついにパ・リーグでも新たなエース対決が生まれようとしている。西武・岸孝之と日本ハム・大谷翔平による投げ合いだ。

 1回目の対戦から死闘となったこの2人。7月10日、札幌ドームで行われた日本ハム-西武の11回戦で最初に相まみえた際には7回までゼロ行進。特に岸の方は四球を1つ与えたのみのノーヒットピッチング。圧巻の投球を披露する。

 均衡が破られたのは8回の裏、先頭の近藤健介がセンターの頭上を越す二塁打を放ち、ノーヒッターに終止符を打つと、陽岱鋼の犠打で三塁へと進み、岡大海がスクイズを敢行。ホームをこじ開けた。

 1点の援護をもらった大谷は、8回まで4つの四球を与えながらも10個の三振を奪って西武打線をシャットアウト。9回をストッパーの増井浩俊に任せて1-0で勝利。岸は被安打1での完投負けを喫した。

 そして、岸にリターンマッチとなる機会が巡ったのが8月11日のこと。今度は本拠地・西武ドームでの試合で、大谷と2度目の投げ合いが実現した。

 岸はこの試合でも6回まで1安打に抑える好投を見せながら味方の援護なく、7回に田中賢介に適時打を浴びて先制点を許してしまう。それでも、この日はチームメイトが奮起。直後の7回裏、栗山巧が安打で出塁し、浅村栄斗が送って一死二塁。この場面で、後半戦の打率.179と苦しむメヒアが甘く入ったフォークを見逃さずにフルスイングすると、打球はレフトスタンド上段へ消える起死回生の逆転2ラン。一転してリードを奪う。

 ようやく援護をもらった岸は、8回・9回を気合で乗り切り、131球の完投勝利。対日本ハムの連敗を7で止め、大谷翔平の対西武戦の連勝も6でストップした。 

 同じ背番号「11」をつける東北出身の2人。年齢はちょうど10コ違い。経歴やこれまでの道のりにも違いはあれど、いまやチームを背負い、リーグを代表する投手となった。

 終盤戦の勝負どころ、さらにはその先のCSまで…。新たな“ライバル対決”となりそうなこの2人の投げ合いから目が離せない。

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