ニュース 2015.08.29. 16:30

チームと個人の争いの狭間で…西武・秋山翔吾の戦い

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西武の秋山翔吾外野手 [BASEBALLKING]
 今年のプロ野球、前半戦で大きな話題をさらった選手の一人と言えば、西武の秋山翔吾。安打製造機として覚醒した大卒5年目の27歳は、プロ野球歴代3位となる31試合連続安打を記録するなど、オールスターまでに140本の安打を積み上げた。

 「もう200安打は堅い」「あとは年間安打の日本新記録への挑戦」と見る者のハードルはどんどん上がっていったが、連続試合安打の記録が途切れ、さらに後半戦のチームの不調も重なったことで、その話題は徐々にしぼんで行った。

 そんな秋山の近況を見てみると、安打数のペースは落ちていっている。3・4月、5月、6月と常に40安打をクリアしてきた男も、7月は29安打に留まり、8月もここまで29本。序盤の爆発的な勢いというのは陰を潜めた。

 打率は.363と依然ハイアベレージを保って首位打者に君臨するが、一時はソフトバンクの柳田悠岐にトップの座を譲ることもあった。例年であれば悠々タイトル獲得となっている打率ではあるが、今年に限っては打てども打てども同い年の怪物が食らいついてくる。安心できる時間はひとときもない。

 チームも7月から8月にかけて球団ワースト記録となる13連敗を喫し、安泰と思われていた3位の座から転落。現在は再びCS圏内を取り戻したものの、4位・ロッテとのゲーム差は「1」。こちらも切羽詰まった状況となっている。

 チームの先陣を切り、攻撃のスイッチを入れる1番打者として。守っては外野の中央で要として。秋山はチームと個人の両方で極限の争いを戦いながら、野球ファンが期待する日本記録への挑戦を続けているのだ。

 8月27日に行なわれた札幌ドームの試合、秋山はシーズン180本目の安打を先制の2ランで飾った。試合後、ヒーローインタビューに登壇すると「これがヒット4本分になってくれればいいんですけど...」と本音がポロリ。もう聞かれ飽きたであろう200安打への質問には、「一気に増えることはないと思うので、積み重ねていけたら」と答えるに留まった。

 史上6人目の200安打まで、残すところ24試合で19本。阪神・マートンが持つ年間安打の日本記録(214本)までは33本。残り試合も少なくなってきた中、その数字をどこまで伸ばしていけるか。レオの安打製造機の挑戦は続く。

シーズン安打記録(※200安打以上)

1位 214安打 マートン(2010年・阪神/144試合)
2位 210安打 イチロー(1994年・オリックス/130試合)
3位 209安打 青木宣親(2010年・ヤクルト/144試合)
4位 206安打 西岡 剛(2010年・ロッテ/144試合)
5位 204安打 ラミレス(2007年・ヤクルト/144試合)
6位 202安打 青木宣親(2005年・ヤクルト/144試合)

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