二塁手に山田哲人（ヤクルト）、浅村栄斗（西武）、三塁手には中村剛也（西武）、川端慎吾（ヤクルト）、松田宣浩（ソフトバンク）と打てる選手が各ポジションにいるが、遊撃手はというと、それらに比べると少ない印象だ。

　打てる選手がいなかったわけではない。5年前にはシーズン200安打を達成した西岡剛（当時ロッテ）や打率3割、90打点をマークした中島裕之（当時西武）、打率3割、30盗塁を記録した川崎宗則（当時ソフトバンク）など打てる遊撃手が多数存在していた。だが今季、規定打席に到達している遊撃手で、打率3割以上記録している選手は誰もいない。

　特に坂本は高卒2年目の08年に二岡智宏からレギュラーを奪い、09年に打率3割を記録。10年には巨人の遊撃手とは最多の31本塁打を放ち、12年には最多安打のタイトルを獲得するなど将来をかなり期待されていた。しかし、13年が打率.265、14年も打率.279、今季もここまで打率.281と今ひとつ物足りない。

　松井秀喜氏も昨年行われた日米野球第2戦でテレビ中継のゲスト解説を務めた際に、巨人の後輩・坂本について「厳しい見方になるかもしれないが、もう一段上のプレーヤーになって欲しい」とコメントしたほど。坂本が持っているポテンシャルが高いことを分かっているだけに、松井氏も歯がゆく映ったようだ。

　本来であれば、球界を引っ張るスターになっていてもおかしくない存在。打てる遊撃手が少なくなっている今、10代で巨人のレギュラーを掴んだ坂本の奮起が求められる。

各球団の遊撃手成績

今宮健太（ソフトバンク）
122試 率.213 本5 点37

中島卓也（日本ハム）
126試 率.276 本0 点38

金子侑司（西武）
49試 率.219 本1 点6

鈴木大地（ロッテ）
123試 率.262 本5 点38

安達了一（オリックス）
122試 率.240 本11 点53

後藤光尊（楽天）
108試 率.242 本9 点40

鳥谷敬（阪神）
127試 率.278 本5 点38

大引啓次（ヤクルト）
82試 率.223 本5 点38

坂本勇人（巨人）
115試 率.281 本11 点61

田中広輔（広島）
123試 率.269 本6 点37

倉本寿彦（DeNA）
89試 率.197 本2 点18

エルナンデス（中日）
125試 率.264 本9 点51

※成績は9月12日現在