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深刻な“正捕手”不足 代表選考で明るみになった日本の弱点

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阿部慎之助の捕手“卒業”は日本全体にとっても大きな痛手だった…[Getty Images]
 10日、今年11月に開催される「WBSC世界野球プレミア12」に向けた野球日本代表・侍ジャパンの1次登録メンバー45名が発表された。

 7月に発表されていた一次候補の65名から、20名が落選となった今回。発表されたメンバーを見たファンの声の中で、特に目立っていたのがヤクルト・中村悠平の離脱についてだった。

 ベテラン・相川亮二がFAで去った今季のヤクルトで125試合中118試合に出場するなど、正捕手としての座を確立した中村。快進撃を続けるチームを支え、自身のキャリア最多出場も早々と更新してみせた。

 また、昨年は規定打席には到達しなかったものの、打率.298をマークするなど「打」の方でも存在感を発揮。今年は序盤こそ不振に苦しんだが、7月に入ったあたりから徐々に調子を上げ、9月10日の時点では.239まで盛り返してきている。

 ちなみに、現時点で両リーグ唯一の「規定打席に到達している捕手」となっている中村(※日本ハム・近藤、西武・森は指名打者での出場がメインのため除く)。こんなところからも、各球団の苦しい正捕手事情はうかがい知ることができる。

 一時代を築いた名捕手たちが立て続けに引退や衰えと直面し、日本球界で“捕手の過渡期”とも言われている近年。その中で希少なレギュラーキャッチャーとして活躍する中村の落選は波紋を呼んだ。

 思い返して見ると、これまでの国際大会では確固とした扇の要がいた日本チーム。世界一になった06年のWBCでは、当時はまだブレイク直後だった里崎智也が大抜擢ながらもその大役を全うし、大会ベストナインを獲得。09年の世界一連覇の際には当時マリナーズに所属していた城島健司、そして3連覇は逃したものの13年の第3回大会では阿部慎之助が「4番・捕手」でチームの大黒柱となっていた。

 しかし、逆に言えば、各球団の若手捕手にとっては大きなチャンスでもある。日本国内で捕手が枯渇しているということは、チームで存在感を見せることができれば、そのまま代表に直結する可能性も高いからだ。

 2017年に第4回目のWBCを迎えた時、日本のホームベースを守っているのは果たして誰なのか…。各球団の若手捕手の奮起に期待したい。

近年の代表登録捕手

【2006年・第1回WBC】
<登録メンバー>
里崎智也(ロ) 94試 率.303(297-90) 本10 点52 
谷繁元信(中) 141試 率.234(449-105)本14 点65
相川亮二(横) 144試 率.259(498-129)本8 点46 ※阿部に代わる追加招集

▼ 辞退した選手
城島 健司(ソ) 116試 率.309(411-127)本24 点57 ※メジャー挑戦のため
阿部慎之助(巨) 130試 率.300(476-143)本26 点86 ※故障のため

【2008年・北京五輪】
<登録メンバー>
阿部慎之助(巨) 140試 率.275(499-137)本33 点101
里崎 智也(ロ) 127試 率.270(477-129)本14 点75
矢野 燿大(神) 106試 率.236(356-84)本6 点42

【2009年・第2回WBC】
<登録メンバー>
城島 健司(マ) 112試 率.227(379-86)本7 点39 ☆メジャー
阿部慎之助(巨) 125試 率.271(428-116)本24 点67
石原 慶幸(広) 123試 率.265(422-112)本9 点50

▼ 辞退した選手
里崎智也(ロ) 92試 率.261(330-86)本15 点45 ※故障のため
矢野燿大(神) 119試 率.275(371-102)本4 点36 ※故障のため

【2013年・第3回WBC】
<登録メンバー>
相川 亮二(ヤ) 72試 率.275(220-54)本1 点28
阿部慎之助(巨) 138試 率.340(467-159)本27 点104
炭谷銀仁朗(西) 139試 率.194(360-70)本0 点23

【2015年・プレミア12】
<1次登録メンバー>
伊藤 光(オ) 90試 率.280(218-61) 1本 24点
炭谷銀仁朗(西)120試 率.198(359-71)1本 26点
森 友哉(西) 124試 率.286(430-123)15本 61点
嶋 基宏(楽) 99試 率.232(280-65) 4本 18点
会沢 翼(広) 86試 率.247(239-59) 6本 29点

※各選手の成績は大会前年のもの(プレミア12のみ今シーズンの成績)
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