侍ジャパンは10日、今年の11月に開催される野球の世界大会『WBSC世界野球プレミア12』へ向けた日本代表の1次登録メンバー45名を発表した。球団別では西武がシーズン200安打に残りわずかの秋山翔吾、本塁打と打点でリーグトップの中村剛也など最多の8選手が選出された。

　最少だったのは、セ・リーグ首位を走る阪神。7月に発表された一次候補65名の中に12球団で唯一、野手の選出なし。投手も藤浪晋太郎、岩田稔の2人だった。そして今回、1次登録メンバーに選ばれたのは藤浪1人。同じ首位を走るパ・リーグのソフトバンクから7人選ばれていることを考えると、かなり少ない。

　小久保裕紀監督が侍ジャパンの監督に就任してから、『BASEBALL CHALLENGE 日本VSチャイニーズタイペイ』、『日米野球』、『GLOBAL BASEBALL MATCH2015』が行われた。阪神から選出された選手を見てみると、『BASEBALL CHALLENGE 日本VSチャイニーズタイペイ』が松田遼馬のみ。『日米野球』が藤浪、岩田の2人。今年3月に行われた『GLOBAL BASEBALL MATCH2015』では、藤浪1人だった。

　『プレミア12』の日本代表入りに期待がかかる藤浪。これまでメッセンジャーや能見篤史がエースと形容されることが多かった。今季は、春先こそ不安定な投球だったが、後半戦は5勝1敗、防御率2.34と安定。ここまで12勝、192奪三振とリーグ最高の成績を残す。エース級の投球を続けていけば、最終候補に名前が入る可能性はかなり高い。

　今回、1次登録メンバーは阪神から藤浪だけと寂しい状況だが、2年後のWBCまで時間が残されている。阪神は投手でいえば岩崎優、松田、野手では梅野隆太郎、横田慎太郎、江越大賀など期待の若手がいる。彼らが順調に成長すれば、阪神からも代表選手が増えていくはずだ。