シーズン最終戦となる10月1日のオリックス戦に、シーズン最多安打記録をかけた西武の秋山翔吾。前日に5安打を放ち、2010年に阪神のマートンが記録した214安打に追いついた秋山は、この試合で2安打。シーズン216安打とし、日本プロ野球史上“シーズンを通して最もヒットを打った選手”となった。
昨シーズン、開幕から不振でファーム落ちを経験することもあった秋山は、131試合で打率.259、4本塁打、47打点と不本意な成績に終わった。
10月には右肘を手術し、秋季キャンプは不参加。この時、ゆっくりと考える時間を持てたことが、今シーズンの快進撃につながった。
3カ月野球ができなくなり、自らのプレーについて深く考えた秋山。まず取り組んだのはバッティングフォームの改良だった。
「今までは上から捉えに行ってバットを振る感じでしたが、ヘッドが寝やすい振り方になってしまって、それを補うように上からバットを落としていました。変化球に対応しづらいところが結構ありましたし、このままだと3割には到達できないので、今シーズンは、グリップの位置を下げて、バットを寝かせるスイングを心がけてました。点ではなく、線でボールを捉えるイメージですね」
秋山を勇気づけてくれたのは、『今シーズン、1番でいくぞ』という田辺徳雄監督の言葉だった。
チームの勝利のために戦うという気持ちは学生の頃から強い選手だったが、「期待に応えられる1番バッターになる」という思いでプレー。その象徴的な出来事が、連続試合安打が31で止まった日のゲームだった。
日本記録の33試合が見えてきた7月14の日楽天戦、秋山は無安打で迎えた延長10回裏の攻撃で四球を選んだ。自らの記録を狙うよりもチームの勝利を優先したこのプレーは、主砲・中村剛也のサヨナラ3ランで結実。フォア・ザ・チームのプレーによって連続試合安打の記録は歴代3位タイで終わったものの、「まだまだ力が足りませんでした。四球は、チームとして戦っているので」と話したのだ。
シーズン前、秋山選手に目標を尋ねると、「フルイニング出場ですね」、と迷いのない答えがかえってきた。
「フルイニング出場は、ケガをしたり、結果を出し続けないとできないこと。チームの状態にもよりますが、やはり結果を出している選手は試合に出ています。それに、打つだけでもダメだし、守るだけでも達成できません。ですので、フルイニング出場が僕の一番のテーマだと思っています」
シーズン当初の目標は、10月1日のオリックス戦で達成された。2013年の152安打が自己記録だった選手が、今シーズン1年を通じてプレーし、日本プロ野球史上最多となるシーズン216安打を記録した。
バットやグラブのサポートをしているSSKの担当者は、『今年の秋山は気持ちの切り替え方が違う』という。
「いい当たりでも、野手の正面でアウトになってしまった時に、『ヒット一本損した』というような考えから、『そういう時もあるし、詰まってもヒットの時もあるし』というように、ちょっとゆとりを持ってプレーしていたように思います。3割バッターって、引きずらないんですよね」
新記録達成の記者会見で、「野球界の先輩方の上に名前があるのが少し恥ずかしいような気持ちもある」と語った秋山。阪神のマートンから『新記録達成おめでとう』というメールが届いていたということが話題になっているが、実はこの時、「すげえ、マートンからメールきてる。おめでとうだって」と興奮していた。
『日本一の打者というよりも、純粋に野球を愛している野球少年のようでした』と、SSK担当者は語る。
オールスターにファン投票で選出され初出場。31試合連続安打。日本プロ野球史上6人目となる200安打。そしてシーズン最多の216安打…。多くの記録を作った秋山選手だが、何より嬉しいのは「フルイニング出場」だという。
西武はシーズンの全日程を終え、クライマックス・シリーズへの進出はロッテの結果次第となるが、11月には世界NO.1チームを決めるプレミア12が開催される。秋山はサムライJAPANの候補選手に選ばれており、出場の28選手は10月上旬発表の予定。秋山翔吾選手が、世界を舞台に活躍する日は近い。
[記事提供]=SSK
バッティングフォームを改良して臨んだ5年目
昨シーズン、開幕から不振でファーム落ちを経験することもあった秋山は、131試合で打率.259、4本塁打、47打点と不本意な成績に終わった。
10月には右肘を手術し、秋季キャンプは不参加。この時、ゆっくりと考える時間を持てたことが、今シーズンの快進撃につながった。
3カ月野球ができなくなり、自らのプレーについて深く考えた秋山。まず取り組んだのはバッティングフォームの改良だった。
「今までは上から捉えに行ってバットを振る感じでしたが、ヘッドが寝やすい振り方になってしまって、それを補うように上からバットを落としていました。変化球に対応しづらいところが結構ありましたし、このままだと3割には到達できないので、今シーズンは、グリップの位置を下げて、バットを寝かせるスイングを心がけてました。点ではなく、線でボールを捉えるイメージですね」
秋山を勇気づけてくれたのは、『今シーズン、1番でいくぞ』という田辺徳雄監督の言葉だった。
チームの勝利のために戦うという気持ちは学生の頃から強い選手だったが、「期待に応えられる1番バッターになる」という思いでプレー。その象徴的な出来事が、連続試合安打が31で止まった日のゲームだった。
日本記録の33試合が見えてきた7月14の日楽天戦、秋山は無安打で迎えた延長10回裏の攻撃で四球を選んだ。自らの記録を狙うよりもチームの勝利を優先したこのプレーは、主砲・中村剛也のサヨナラ3ランで結実。フォア・ザ・チームのプレーによって連続試合安打の記録は歴代3位タイで終わったものの、「まだまだ力が足りませんでした。四球は、チームとして戦っているので」と話したのだ。
フルイニング出場を目標に
シーズン前、秋山選手に目標を尋ねると、「フルイニング出場ですね」、と迷いのない答えがかえってきた。
「フルイニング出場は、ケガをしたり、結果を出し続けないとできないこと。チームの状態にもよりますが、やはり結果を出している選手は試合に出ています。それに、打つだけでもダメだし、守るだけでも達成できません。ですので、フルイニング出場が僕の一番のテーマだと思っています」
シーズン当初の目標は、10月1日のオリックス戦で達成された。2013年の152安打が自己記録だった選手が、今シーズン1年を通じてプレーし、日本プロ野球史上最多となるシーズン216安打を記録した。
バットやグラブのサポートをしているSSKの担当者は、『今年の秋山は気持ちの切り替え方が違う』という。
「いい当たりでも、野手の正面でアウトになってしまった時に、『ヒット一本損した』というような考えから、『そういう時もあるし、詰まってもヒットの時もあるし』というように、ちょっとゆとりを持ってプレーしていたように思います。3割バッターって、引きずらないんですよね」
シーズン最多の216安打よりも嬉しい記録
新記録達成の記者会見で、「野球界の先輩方の上に名前があるのが少し恥ずかしいような気持ちもある」と語った秋山。阪神のマートンから『新記録達成おめでとう』というメールが届いていたということが話題になっているが、実はこの時、「すげえ、マートンからメールきてる。おめでとうだって」と興奮していた。
『日本一の打者というよりも、純粋に野球を愛している野球少年のようでした』と、SSK担当者は語る。
オールスターにファン投票で選出され初出場。31試合連続安打。日本プロ野球史上6人目となる200安打。そしてシーズン最多の216安打…。多くの記録を作った秋山選手だが、何より嬉しいのは「フルイニング出場」だという。
西武はシーズンの全日程を終え、クライマックス・シリーズへの進出はロッテの結果次第となるが、11月には世界NO.1チームを決めるプレミア12が開催される。秋山はサムライJAPANの候補選手に選ばれており、出場の28選手は10月上旬発表の予定。秋山翔吾選手が、世界を舞台に活躍する日は近い。
[記事提供]=SSK