アメリカではポピュラーな“成績予測”
ストーブリーグも落ち着きを見せ、月末に迫ったキャンプインへ向けた動きに入っているアメリカ・メジャーリーグ。
いよいよ近づいてきた2016年シーズンの開幕へ向け、にわかに盛り上がりを見せているのが選手の「成績予測」だ。
と言っても、漠然とした評価や印象で成績を“予想”するわけではない。そこはデータ大国のアメリカ。有識者たちがこれまで蓄積したデータなどから詳細な数字をはじき出し、高精度な“予測”を発表している。
なぜアメリカでこの時期に「成績予測」が盛り上がるかというと、あるゲームの存在がある。「ファンタジーベースボール」というものだ。
一定のルールの中で選手を獲得し、自分だけのチームを編成。その後は実際の試合の結果、成績によってポイントが得られm獲得したポイント数でライバルたちと競い合う。
1980年代にアメリカで流行したこのゲームは、いまや米国内だけでも3000万人を超えるプレイ人口を誇ると言われている。このゲームに熱狂する人々にとって欠かせないのが、有識者たちによる「成績予測」なのだ。
「11勝」程度が妥当…米国が見た前田健太
前置きが長くなったが、ここで注目したいのがドジャースに入団した前田健太の成績だ。
メジャー1年目ということで実力は未知数。どんな数字がはじき出されているのかと複数のサイトを確認してみると、示し合わせたかのような数字が並んだ。以下が前田健太の「成績予測」だ。
(1) 177回 11勝9敗 防3.71 『FANTASY PROS』
(2) 185回 11勝9敗 防3.84 『Roto Champ』
(3) 178回 11勝10敗 防3.55 『STEAMER(fangraphs)』
(4) 175回 11勝9敗 防3.70 『MLB.com』
驚くべきことに、4つのサイトすべてが「11勝」という数字を挙げた。負け数も「9」が3つに「10」がひとつとなっており、大きな差がなかった。
ちなみに、3つ目に挙げている『fangraphs』では、「成績予測」に関するアンケートも実施している。日本時間2月9日の12時時点では、はじき出された数字に対して「妥当」との見方が46.44%、「やや楽観的」が29.66%。「だいたいこれくらいだろう」という見方のファンが多くを占めている。
好投手が揃うチームにおいては、エースのクレイトン・カーショー、スコット・カズミアー、柳賢振に次ぐ4番目という評価。「11勝」というひとつの基準を上回ることができるか…。10月に振り返るのをたのしみにしながらシーズンを見ていきたい。