俊足を武器にするも故障が多いロッテ・荻野
今季こそは1年間ケガなく、一軍で活躍。故障なく戦うことが期待される選手がいる。
ロッテの荻野貴司が、その一人だ。1年目の10年、普通のライト前ヒットを二塁打にするなど、圧倒的なスピードで衝撃を与えた。盗塁数も開幕から1カ月半で25盗塁を記録し、タイトル獲得も期待が膨らんだ。しかし、同年5月21日のヤクルト戦で二盗を試みた際に、右膝を負傷。検査の結果、右膝外側半月板損傷で長期離脱することになった。
翌11年に復帰するも、右膝に違和感を覚え、同年に右膝を手術。その後も、毎年のように故障に泣かされている。昨季は5月31日のDeNA戦の3回、二塁打を放った際に、二塁ベース手前で左太ももを痛め、そのまま負傷交代。「左大腿二頭筋の肉離れ」で約2カ月近く戦列を離れた。
今季は5日に行われた阪神とのオープン戦に2安打をマークするなど、大きなケガをすることなくシーズンに向けて調整を進めている。1年間フルに出場できれば、盗塁王を獲得できるほどの俊足を持つ。今季こそは、1年間一軍でプレーし、自己最高の成績を残したいところだ。
今季は6年ぶりに一軍キャンプのロッテ・内
投手では、同じくロッテの内竜也が当てはまる。内も故障がなければ、最優秀中継ぎ、最多セーブといったリリーフのタイトル争いに顔を出してもおかしくない存在。3位から下剋上を果たし、日本一に輝いた10年はシーズンではわずか15試合の登板も、クライマックス・シリーズ、日本シリーズで好投。特に日本シリーズでは、4試合に登板して、無失点に抑える投球を見せ、優秀選手賞に輝いた。
11年は勝ち試合の一角として投げていたが、シーズン途中に右肘痛で離脱すると、同年8月に手術。12年5月に復帰し、初登板から13試合連続無失点に抑えるなど好投したが、右足首を痛め戦列を離れた。内は、5年連続で手術を受けるなど、とにかく故障が多い。
それでも、15年はシーズン終盤に一軍昇格すると、西野勇士の故障により守護神を務めた。一軍に入れば大事な場面を任されるなど信頼は厚い。今季は6年ぶりに一軍キャンプでスタートを切り、5日に行われた阪神戦では2点リードの9回に登板し、無失点に抑えている。大谷智久、西野とともに勝ちパターンの一角を1年間担い、フル回転する働きを期待したい。
その他には、浅尾拓也(中日)、吉見一起(中日)、金子千尋(オリックス)などがいる。また現役引退組では、高速スライダーを武器にしていた元ヤクルトの伊藤智仁、ホップするストレートで巨人の高橋由伸監督が現役時代に絶賛した中里篤史氏などが故障に泣かされた。荻野と内の2人は持っている能力は非常に高い。今季こそ故障なく1年間プレーすることができるだろうか。