高山と横尾はプロ入り
2011年夏の全国高校野球選手権大会決勝で日大三高(西東京)は、光星学院(青森県)を13安打11得点の猛攻で、01年以来10年ぶり2度目の優勝を成し遂げた。
あれから5年…。あの夏を沸かせた優勝メンバーのほとんどが大学へ進み、大学4年となった昨年のドラフトでプロ入りを果たした。
決勝戦に「5番・右翼」で先発出場した高山俊は、高校卒業後、明治大に進学。明治大では東京六大学リーグ通算131安打を放ち、48年ぶりに通算安打記録を更新した。打撃技術が高く評価され、昨年のドラフト1位で阪神に入団。
大学4年秋のリーグ戦で「右手有鉤(ゆうこう)骨骨折」したこともあり、キャンプは二軍スタートだったが、2月24日の日本ハムとの練習試合から一軍に合流。早速、「7番・指名打者」でスタメン出場すると、9回の打席で安打をマーク。
オープン戦が始まってからは、6日の巨人戦で左の内海哲也と山口鉄也からヒットを放つなど、7試合に出場して、打率.296(27打数8安打)、1打点を記録。キャンプ中に連日スポーツ紙を賑わせたルーキーたちが苦しむ中、高山はコンスタントに結果を残している。
日大三高時代に4番を務めた横尾俊建は、慶大からドラフト6位で日本ハムへ入団した。慶大時代に通算13本のアーチを描いた長距離砲は、キャンプを二軍で迎えるも、紅白戦で結果を残し一軍に昇格。
2月24日韓国・KIAとの練習試合で、プロ初本塁打を放ち、持ち前の長打をアピール。さらに、3月1日の巨人とのオープン戦では、タイムリーを含む2安打1打点の活躍を見せた。“おにぎり君”の愛称で親しまれるルーキーは、開幕一軍を目指して奮闘中だ。
吉永と鈴木は社会人で再びチームメイトに
一方で、大学卒業後プロ入りせず社会人に進んだ選手もいる。エースの吉永健太朗がその一人だ。高校3年夏の甲子園でエースとして全国制覇に大きく貢献した吉永は、早稲田大学へ進学。1年春にリーグ戦4勝をマークし、リーグ制覇の立役者となった。しかし、2年以降は故障や不振で、思ったような投球ができず。プロ志望届は提出せずに、JR東日本に進んだ。
このJR東日本で、日大三高時代にバッテリーを組んでいた鈴木貴弘と再びチームメイトになる。13日に行われたスポニチ大会準決勝の新日鉄住金かずさマジック戦で、吉永と鈴木がバッテリーを組んだが、2回途中4失点でノックアウト。社会人デビュー戦となったこの日、悔しい結果となった。
また、日大三高でキャプテンを務めた畔上翔は、法政大時代の4年秋に打率.404を記録し、ドラフト候補に挙げられたが、まさかの指名漏れ。2年後のプロ入りを目指し、社会人野球のHonda鈴鹿で腕を磨いていく。
日大三高卒業後、大学野球界を盛り上げた優勝メンバーたち。先にプロ入りした高山、横尾が活躍し、2年後に吉永、鈴木、畔上らがプロに入りして、今度はプロ野球という舞台で大暴れして欲しいところだ。