5枚で回せるパ・リーグの序盤戦
3月25日(金)に開幕したプロ野球も、開幕から一週間が経とうとしている。開幕から6日目を迎える31日は、セ・リーグの3試合のみの開催。パ・リーグのチームは1日空けて金曜日からの3連戦に臨む。
セと比べて序盤戦の日程にゆとりがあり、多くのチームは木曜日か金曜日が空くというスケジュールが続くパ・リーグ。そのため、しばらくは先発5枚で回すことができ、30日の試合まででひと回り目のローテーションが終わった。
各球団で開幕ローテーション入りを果たした投手たちは、自身のシーズン最初の登板でどんな投球を披露したのか。先発した投手を「1勝0敗」、「0勝0敗」、「0勝1敗」のグループに分けて見ていきたい。まずは、最初の登板を白星で飾った男たちから。
<1勝0敗>
0.00 武田翔太(ソフトバンク)
0.00 美馬 学(楽天)
0.00 有原航平(日本ハム)
0.00 岸 孝之(西武)
0.00 涌井秀章(ロッテ)
1.29 石川 歩(ロッテ)
3.86 則本昂大(楽天)
4.50 ブランドン・ディクソン(オリックス)
4.76 吉川光夫(日本ハム)
5.40 千賀滉大(ソフトバンク)
6.35 東明大貴(オリックス)
開幕戦で勝利を挙げたのは、昨シーズンの最多勝男・涌井秀章(ロッテ)と、史上初の新人から4年連続で開幕投手を務めた則本昂大(楽天)の2人だった。
昨年15勝をマークし、最多勝を分け合った日本ハム・大谷との投げ合いを制した涌井。味方が初回に3点の援護をプレゼントすると、7回まで日本ハム打線を散発の4安打に封じ、ホームを踏ませなかった。
則本は2回までに3点を奪われる苦しい立ち上がりとなるも、2回裏に味方打線が繋がって5得点で逆転。リードをもらって立ち直ったエースは3回以降ソフトバンク打線をわずか1安打に封じ、7回までで11奪三振を奪う力投を見せた。
その他では、27日(日)の開幕3戦目にチームを初勝利をもたらす投球を見せたソフトバンク・武田や、30日(水)にわずか96球で今シーズン最初の完封勝利を成し遂げた楽天・美馬の好投が光った。
<0勝0敗>
0.00 釜田佳直(楽天)
0.00 近藤大亮(オリックス)※故障により途中降板
1.50 菊池雄星(西武)
3.38 リック・バンデンハーク(ソフトバンク)
3.60 ルイス・メンドーサ(日本ハム)
4.05 塩見貴洋(楽天)
4.05 金子千尋(オリックス)
9.00 大嶺祐太(ロッテ)
15.00 十亀 剣(西武)
勝ち負けはつかなかったが、その中でも輝きを放った投手といえば楽天の釜田が挙げられる。武田翔太との投げ合いとなった開幕3戦目、強力ソフトバンク打線を相手に8回3安打無失点という快投。延長戦の末にチームは敗れたものの、同い年の右腕を相手に一歩も引かない白熱した投手戦を演じた。
2013年の5月に右肘を疲労骨折し、復帰するも患部の状態が思わしくなく、2014年の3月にはトミー・ジョン手術を決断。昨年8月に2年ぶりとなる一軍勝利を挙げた男が、完全復活へ向けていいスタートを切った。
<0勝1敗>
1.29 ジェイソン・スタンリッジ(ロッテ)
2.57 大谷翔平(日本ハム)
4.15 野上亮磨(西武)
5.40 アンディ・バンヘッケン(西武)
5.79 二木康太(ロッテ)
6.00 和田 毅(ソフトバンク)
6.35 辛島 航(楽天)
12.60 西 勇輝(オリックス)
13.50 アンソニー・バース(日本ハム)
15.00 摂津 正(ソフトバンク)
最後は開幕戦で敗れた投手たち。心配な面を見せたのは、ソフトバンクの摂津だろう。
今年で5年連続の大役となった“開幕男”だが、3点の援護を受けた2回の裏に突如乱調。四球2つと安打で一死満塁のピンチを作ると、藤田に2点適時打を浴び、また四球を挟んで岡島に逆転の2点適時打を浴びた。まさに“悪夢”の2回。この回だけで3安打4四球、失策が絡んだとはいえ一気の5失点で流れを手放してしまった。
結果的には「開幕投手が先頭に立って勝てば、チームの雰囲気は良くなる」と語った工藤公康監督の期待を裏切る結果に。本人も「何もできなかった」と肩を落とした。
何事もなければ、次回登板は4月1日(金)。静岡での日本ハム戦。相手も開幕戦で悔しい黒星を喫した大谷翔平となる。工藤監督も語った「持ち味を取り戻す」投球を見せることができるだろうか。
4月1日(金)のパ・リーグ試合予定は以下のとおり。
【あすの試合予定】
楽天(2勝2敗1分) - 西武(3勝2敗)
<Koboスタ宮城 13時00分>
日本ハム(2勝3敗) - ソフトバンク(2勝2敗1分)
<静岡 18時00分>
オリックス(2勝3敗) - ロッテ(3勝2敗)
<京セラD大阪 18時00分>