打線の状態が上がらず…
リーグ3連覇を目指すソフトバンクの元気がない。6日終了時点で、3勝5敗2分の5位。2年ぶりに借金2となった。5日のロッテ戦では、6回まで4点をリードしながらも、終盤に追いつかれ、引き分け。開幕から3カード連続で負け越し、スタートダッシュに失敗した印象はあるが、90勝を挙げた昨季もロケットスタートを切ったわけではない。昨季も10試合終了した時点で、5勝4敗1分と貯金はわずかに1だった。
打線はここまでチーム打率、得点ともにリーグ4位の.241、37得点と低調だが、昨季も4月4日の西武戦の8回から4月11日の日本ハム戦の3回にかけて36イニング連続無得点ということもあった。特に主力の李大浩は10試合終了時点で、打率.147、1本塁打、3打点と絶不調だった。
それでも、李大浩の状態が上がってきた5月に打線が繋がり出し、同月は月間最多の131得点を記録。その後は打線が爆発し、終わって見ればチーム打率.267、651得点とリーグトップの成績を残した。
6日のロッテ戦でサファテが9回にデスパイネに勝ち越し弾を許したものの投手陣は安定しており、打線の繋がりが勝利を重ねるためにもカギとなりそうだ。その中でも、柳田悠岐の働きが大事になってくるだろう。昨季トリプルスリーを達成した柳田だが、今季はリーグトップの16四球を選んでいるものの、打率.188、1本塁打1打点と低調。
打撃の状態が上がらない原因に、1、2番がチャンスを作ることができていないことも関係していそうだ。今季は開幕から4試合は福田秀平が1番を務めたが打撃不振のため、その後は本多雄一、長谷川勇也などが1番を打っている。ただ、代わって1番で出場する選手も結果を残せておらず、ランナーがいない場面で柳田に打席が回ることも多い。そうなると、ランナーがいない場面で柳田と対戦する他球団の投手は、無理して勝負しないケースが増えている。ちなみに5日のロッテ戦は、2つの四球を選んだが、いずれも走者がない状況だった。
低打率も気になるところだが、得点圏打率も.000(8打数0安打)。3日の日本ハム戦では、1点を追う9回、守護神の増井浩俊を攻めたて、二死満塁の好機で打席が回ってくるも見逃し三振に倒れ、あと一本が出ずに敗戦した。昨季に比べてマークが厳しくなったが、昨季得点圏打率.413を記録した勝負強さを、1日も早く戻したいところだ。
充実した投手陣
投手陣は中田賢一、大隣憲司が出遅れているものの、摂津正、武田翔太、バンデンハーク、和田毅、千賀滉大と枚数は揃っている。リリーフ陣もバリオスが不安定な投球も、昨季精彩を欠いた森福充彦が調子を取り戻し、勝ちパターンの森唯斗、五十嵐亮太、サファテのリレーが構築されている。
二軍に目を向けても、ウエスタンリーグトップの防御率0.53を記録する東浜巨、2勝1敗4セーブのスアレス、最多の3勝をマークする巽真悟が控えている。故障組の中田も二軍戦に登板しており、故障や不調な投手が出てくれば、いつでも昇格できそうだ。
投手陣は充実しており、上位進出するためにも、打線の奮起が求められる。李大浩が抜けた5番打者の穴、1、2番の固定と課題はあるが、それを補うだけの戦力は整っている。主力野手が復調し、打線に繋がりが戻ってくれば、昨季までの強さを取り戻しそうだ。