本塁打はわずかに1本も繋がる打線
2年連続最下位に沈んだ楽天が好調だ。5日のオリックス戦では、17安打11得点の猛攻で11-0と大勝。今季は開幕から投打ともに安定している。
昨季チーム打率.241、チーム得点463とリーグワーストだった打線は、5日現在、チーム得点はリーグ1位の49、打率もリーグ2位の.282を記録。チーム本塁打はわずか1本だが、今年の打線は安打、四球、盗塁でチャンスを作り得点を挙げている。
今季最多の15点を挙げた2日の西武戦では、1点を追う3回に一死後、9番の嶋基宏がレフト前ヒットで出塁すると、1番の岡島豪郎、2番の聖沢諒、3番の銀次の連打で3点を奪い逆転。ウィーラーの四球を挟み、今江敏晃にもタイムリー。さらに二死一、三塁からダブルスチールで、三塁走者のウィーラーがホームへ生還。一発はなくとも、連打と足を絡めた攻撃で3回だけで5点を奪った。
攻撃が好調な要因として、ロッテからFAで加入した今江の存在が大きい。今江は「左ヒラメ筋炎」で別メニュー調整を続けていたものの、オープン戦の中盤に一軍合流。開幕戦から「5番・三塁」で先発出場し、2日の西武戦では3安打4打点と大暴れ。5日のオリックス戦でも安打を記録するなど、ここまで打率.371、5打点と好調だ。
また楽天といえば、14年以降、三塁手を固定することができず、昨季は三塁手のレギュラー最多出場はウィーラーの47試合だった。今江が加入したことで、課題としていた三塁のレギュラー問題が解消。さらに、得点力不足を補うポイントゲッターとして欠かせない存在感を発揮している。
先発防御率リーグトップの2.24
投手陣はチーム救援防御率6.86と課題を残すが、先発陣はチーム防御率2.24と安定。楽天の先発陣といえば、これまで塩見貴洋、美馬学、辛島航、釜田佳直、森雄大、安楽智大など候補者は多いが、エース・則本昂大に続く存在が出てこなかった。
しかし今季は塩見、美馬、辛島、釜田の4人が開幕ローテに入り。4投手とも、ここまではその役割を果たしている。特に5年目の釜田は、安定感が抜群。今季初登板となった3月27日のソフトバンク戦では、同学年の武田翔太と息詰まる投手戦。勝敗は付かなかったが、8回を3安打4奪三振、無失点と好投した。
今季2度目の先発マウンドとなった4月3日の西武戦は、2点リードの4回に2本の適時打を打たれたが、6回を7安打2失点。ルーキーイヤーの12年に7勝をマークした後は、故障に悩まされていたが、則本とともに期待ができそうだ。
開幕前は前評判が低かった楽天だが、9試合を消化しただけとはいえ首位に立つ。この勢いを持続し、“楽天旋風”を巻き起こすことができるか注目だ。