復活を期す楽天の切り込み隊長
経験豊富な梨田昌孝監督を新たに迎え、3年ぶりのリーグ奪還へとスタートした楽天。ここまで開幕7戦本塁打なしと球団ワースト記録を更新中であるが、2日の西武戦では小技や足を絡めながら17安打で15点という効率の良い攻撃を見せ、4勝2敗1分と好調な出だしを切った。
新生・楽天を先頭で引っ張っているのが、岡島豪郎。プロ5年目、今年で27歳を迎える左のリードオフマンだ。
元は捕手としてのプロ入りも、外野手に転向してからそのシュアな打撃が開花。2013年途中に定位置を掴み、79試合の出場で.323のハイアベレージをマーク。チームの日本一に貢献すると、2014年には142試合に出場。レギュラーとして地位を築き上げようとしていた。
ところが、昨年は開幕から打撃不振に陥り、5月には二軍降格。さらに二軍で背中を故障し、復帰までに時間を要してしまった。終わってみればわずか41試合の出場で、打率も.168。大きな挫折を味わった。
高卒ルーキー・オコエ瑠偉の加入が話題となった今シーズン、危機感を持って挑んだキャンプで復活をアピール。オープン戦でも14試合で打率.347と快音を響かせ、「1番」の座を見事に奪い返してみせた。
1本出ると止まらない!驚異の“固め打ち”
定位置を奪い返した岡島は、昨年のうっぷんを晴らすように開幕戦で大暴れ。1打席目から4打席目まで続けて安打を放ち、5打席目も死球で出塁。4打数4安打に全打席出塁と躍動した。
その後は3戦快音なしも、3月30日のロッテ戦では三塁打を含む5打数3安打。さらに1日空けて4月2日の西武戦でも6打数3安打。ここまでリーグトップの猛打賞3回を記録している。詳細は以下の通り。
【岡島の開幕7試合】
3月25日 4打数4安打
3月26日 4打数0安打
3月27日 4打数0安打
3月29日 3打数0安打
3月30日 5打数3安打
4月 1日 3打数0安打
4月 2日 6打数3安打
打つか、打たないか…。ハッキリと別れるここまでの岡島であるが、安打が出る時に共通しているのが「第1打席で安打が出ている」ということ。“固め打ち”のスイッチは、どうやら最初の打席にあるようだ。
かつてサッカー日本代表の本田圭佑が、「ゴールはケチャップのようなもの」とインタビューで発言したことが話題になった。「出ない時は出ないが、出るときはドバドバ出る」というのがその心。まさに今の岡島豪郎の状態に当てはまる。
帰ってきた鷲のリードオフマンの“第1打席”から目が離せない。