先発、リリーフともに安定
4連勝と勢いに乗る中日は9日、本拠地ナゴヤドームで巨人と対戦し、0-0で引き分けた。
延長12回を無失点に抑えたように、投手陣が全体的に良い。先発はエースの大野雄大、昨季10勝を記録し今季もここまで2勝を挙げる若松駿太の二枚看板は安定感抜群。
3枚目以降は手薄な印象はあるが、3日のヤクルト戦で今季初勝利を挙げたネイラー、6日のDeNA戦でプロ初完封を挙げた小熊凌祐、7日のDeNA戦で6回を1失点に抑えたジョーダンなどがローテーションに定着すると面白い。
リリーフ陣は救援防御率リーグトップの1.80。特に昨季不安定な投球を見せていた福谷浩司が、四球から崩れることがなくなり、開幕から安定した投球を披露。ここまで8試合に登板して、4セーブ、防御率0.00を記録する。
セットアッパーは又吉克樹、田島慎二と実績のある若手2人が務める。田島は0-0の8回から登板した9日の巨人戦で、3つの四球を出したが、今季は8試合に登板して失点は1度もない。
さらに、高卒7年目の左のサウスポー・小川龍也も台頭。キャンプ、オープン戦で結果を残し開幕一軍を掴んだ小川は、当初は左のワンポイントとして期待されていたが、3月30日の広島戦では2イニングを完璧に封じた。
昨季50試合に登板して防御率1.57を記録した岡田俊哉が不振で現在二軍落ちしているが、その不安を感じさせないほどリリーフ陣の層が厚くなっている。
黄金時代を知る2人が復帰!
また、中日の黄金時代を支えた吉見一起と岩瀬仁紀の2人が戻ってきたのは大きい。9日の巨人戦に先発した吉見は、ストレートにスピードはないものの、抜群の制球力で凡打の山を築く。両チーム無得点で迎えた5回に二死三塁のピンチを招いたが、長野久義を初球のスライダーで遊ゴロに仕留め無失点で切り抜ける。6回と7回も0に抑え、吉見は復帰初戦を7回、91球、5安打、6奪三振、1四死球、無失点と危なげない投球内容だった。
日本プロ野球通算歴代1位の402セーブをマークする岩瀬は、8回一死満塁という場面で612日ぶりに一軍登板。数多くの修羅場を潜り抜けたベテランは、4番ギャレットに対して初球のスライダーが高めに浮いたが、3球目のスライダーで、二ゴロ併殺に打ち取り、絶体絶命のピンチを0に抑えた。
黄金時代を知る吉見と岩瀬が一軍に復帰し、若手・中堅が融合する中日投手陣。この先も投手陣が安定した投球を続ければ、1点を守り勝つ“中日らしい”野球を展開できそうだ。