メジャーで花形と言えば遊撃手!
“スーパースター”、デレク・ジーターが去った今、メジャー最高の遊撃手とは一体誰なのか――。
現役では、トロント・ブルージェイズのトロイ・トロウィツキーを推す声が高い。
メジャー10年で通算打率は.297を記録。さらに193本塁打で、674打点。打撃もいいが、遊撃手としての守備機会数、刺殺、補殺、併殺処理、守備率などでもメジャー最高クラスの数字をたたき出している。つまり、ゴロの処理と強肩で、メジャー屈指の遊撃手なのだ。
その他にも、アトランタ・ブレーブスのアンドレルトン・シモンズ、コロラド・ロッキーズのホセ・レイエスらも遊撃手としての評価が高いが、総合力ではトロウィツキーが上回っているとみる。
日本に比べて、より“花形のポジション”というイメージが根強いメジャーの遊撃手。日本でも、遊撃手の地位は決して低くないのだろうが、どうしても三塁手の方が花形のイメージが強いのではないか。
アメリカの野球少年は、遊撃手に憧れるという。そもそも遊撃手はバッターからも遠く、一塁ベースまでも距離があり、打球に対しての素早い反応、深い位置からの送球、外野手との連係プレー、状況判断など、守る上で重要な要素がたくさん含まれている。
誰にでも守れるポジションではなく、チームで最も能力が高い選手が起用されることが多いポジション。チームの構成上、投手力がもっとも重要なことは当然として、守備においては捕手と並ぶほど、遊撃手は重要なのだ。
名選手は遊撃手に多い!
歴代の名選手を振り返ってみても、遊撃手には名手が多い。かつてレッドソックスにノマ-・ガルシアパーラという名ショートがいた。
守備力はもとより、打撃にも定評があり、1999年と2000年に2年連続で首位打者を獲得。14年間の通算打率も.313と安定感抜群で、イチローがメジャーに移籍する前は、首位打者争いの常連だった。
また、主にクリーブランド・インディアンスで活躍したオマー・ビスケルも名ショート。9年連続でゴールドグラブ賞を獲得し、1990年代から2000年にかけて“最高のショート”と言われていた。24年間で積み上げた安打は2877本。現在はデトロイト・タイガースのコーチを務めている。
守備で言えば、主にセントルイス・カージナルスで活躍したオジー・スミスもいる。メジャー19年間のうち、13年連続でゴールドグラブ賞(メジャー記録)を獲得するなど、守備の達人として有名だった。
そして、遊撃手を語るうえで避けては通れないのが、2014年限りで引退したニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーター。彼も最高の遊撃手の一人で間違いない。20年もの間、ヤンキース一筋で遊撃手を務め、通算安打は3465本、通算打率は.310。ニューヨークの貴公子と呼ばれた。
その他にも、連続試合出場2632試合のメジャー記録を持つ、ボルティモア・オリオールズのカル・リプケンも遊撃手。また、ヤンキースのアレックス・ロドリゲスも、元々は遊撃手だった。
「強い遊撃手のいるチームは強い」。それがメジャーの定説だ。今季もメジャー30球団の遊撃手たちが、どんな活躍をみせるのか。楽しみだ。