スタート失敗も、持ち直したオリックス
開幕から約1カ月。良くも悪くもパ・リーグを盛り上げているのが、オリックス。バファローズだろう。
開幕カードは3連勝していてもおかしくなかった内容を、“コーディエ劇場”もあって1勝2敗の負け越しスタート。出だしで躓くと、開幕から13試合連続本塁打なしという、プロ野球ワースト記録を樹立した。
4月も3カード連続負け越しという苦しい船出となり、2週目・5日から10日にかけての4試合を全敗。4試合通算の得失点は3得点の39失点というどん底状態に陥ってしまう。
ところが、4月も3週目に入ると、12日からの日本ハム3連戦で今シーズン初の連勝&カード勝ち越し。続く15日からの西武との3連戦も2勝1敗で勝ち越し、3位から6位までが2ゲーム差の中にひしめくという“混パ”を演出する最大の要因となった。
頼みの助っ人コンビ、モレルとボグセビックが不振に苦しみ、中島宏之も負傷で登録抹消。どん底状態は続くかに思われたが、主将・糸井嘉男の復調や、病気のために離脱していた守りの要・安達了一の復活などもあってチーム状態は上向き。このままカード勝ち越しや連勝を続けていけば、すぐに上位進出も狙えるというところまで立ち直りを見せた。
チームの命運を握る“2枚看板”
スタートダッシュ失敗から一転、ここから上位進出のカギとなるのが、金子千尋と西勇輝の復調だろう。
オリックスが誇る2枚看板も、今シーズンはここまで2人合わせて8試合に登板し、挙げた勝利はわずかに1つだけ。ある程度“勝利”を計算して送り込む福良淳一監督ら首脳陣にとっては大誤算である。2人のここまでの成績は以下の通り。
【オリックス2枚看板のここまで】
▼ 金子千尋
4試(25回1/3) 0勝2敗 奪三振22 失点21(自責20) 防7.11
▼ 西 勇輝
4試(19回1/3) 1勝3敗 奪三振13 失点21(自責20) 防9.31
ご覧のように、らしくない数字が並ぶ。もし仮にこの2人の勝敗が逆だったとしたら、12勝8敗で勝率6割ちょうど。今ごろ首位争いのまっただ中にいたことになるのだ。
大型補強で優勝候補にも挙げられながら、スタートで大コケした2015年。そんな1年前を思い返してみると、金子千尋は前年オフに受けた手術から復帰を果たすことができず、西も3・4月は4試合に投げて0勝2敗と勝つことができなかった。
2年続けて同じようなつまずきを繰り返すわけにはいかない。金子千尋と西勇輝、オリックスが誇る2枚看板がチームの命運を握る。