ドラフトでは3球団から1位指名も…
田中将大(ヤンキース)、前田健太(ドジャース)を始め、昨年トリプルスリーを達成した柳田悠岐(ソフトバンク)や、シーズン最多安打記録保持者の秋山翔吾(西武)といった日本を代表する選手が多い“88年世代”。
チームの顔が多い世代の中で、ようやく花を咲かせそうな選手がいる。プロ10年目の堂上直倫(中日)がその一人だ。堂上は愛工大名電高時代に4番打者として、2年春には全国高校選抜野球大会の優勝に貢献。高校通算55本のアーチを描き、ドラフトでは巨人、中日、阪神の3チームから指名を受けたほど。高校時代は、この世代の中心的存在だった。
しかし、プロ入り後は高校時代に見せていた打撃を披露できず。プロ4年目の2010年に82試合に出場して、打率.263、5本塁打、30打点と二塁のレギュラーを掴みかけたが、その座をモノにすることができず。近年は“守備の人”という存在になっていた。
今季は開幕一軍を勝ち取ったが、序盤は守備固めでの出場が多かった。開幕から遊撃のレギュラーとして先発出場していた遠藤一星が打撃不振で二軍落ちすると、堂上にスタメンのチャンスが巡ってくる。8日と9日の巨人戦で2試合連続マルチ安打を記録するなど、課題としていた打撃で結果を残す。守備は評価されているだけに、安定した打撃を披露することができれば、今年こそレギュラーを手にできそうだ。
プロ入り後故障に泣いた福田
プロ入り後、毎年のように故障に泣かされてきた福田秀平(ソフトバンク)は、巨大戦力を誇るソフトバンクで、外野のレギュラーを手にしそうだ。
昨季はシーズン後半からレギュラーで出場する機会が増え、84試合に出場して、打率.232、1本塁打、14打点の成績を残した。今季は一塁や指名打者で出場することが多かった李大浩が退団し、左翼の内川聖一が一塁へコンバート。外野のポジションが1つ空いた。
福田は今季、開幕スタメンを勝ち取り、楽天との開幕戦で2安打を放ち、好スタートを切ったかのように思われた。翌日以降は、ヒットを1本しか記録することしかできず、4月3日の日本ハム戦が終了した時点で、打率.158と苦しんでいた。
「1番・右翼」で出場した7日のロッテ戦でマルチ安打を記録すると、この日を境に打撃の状態が上がってきた。22日終了時点で、打率.309を記録し、盗塁の数も5と1番打者としての役割を果たしている。
その他にも、投手では南昌輝(ロッテ)、榎下陽大(日本ハム)などもリリーフで存在感を見せ始めている。球界を引っ張る選手が“88年世代”。彼らは今季、大輪の花を咲かすことができるだろうか。