新・球界のレジェンドへ
昨シーズン、中日一筋29年の現役生活に幕を閉じた“球界のレジェンド”こと山本昌。
29年に及ぶNPB在籍期間は歴代最高で、通算219勝165敗は全て中日で挙げたもの。1993年にFA制度が導入されて以降、結果を残した選手は、他球団に移籍するケースが増えた。そのため、ユニフォームを変えずに現役を貫くスター選手というのは大変貴重な存在となっている。
「ハマの番長」ことDeNAの三浦大輔も、そのうちの一人。今年で43歳になる男は、今年から“球界最年長選手”の肩書きを持つことになった。
1991年のドラフト6位でプロの門を叩いて以降、横浜大洋から横浜、そしてDeNAまで“横浜一筋”。今年が25年目のシーズンとなる。
厳しいローテーション争いの中で...
25年目のシーズン開幕は、二軍で迎えた三浦。
今年のチームは開幕投手を務めた井納翔一や、ラミレス監督からエースと公言されている山口俊、さらにはドラフト1位ルーキーの今永昇太に、石田健大、久保康友、モスコーソ、砂田毅樹などなど、例年になく激しいローテーション争いが繰り広げられている。
ファームを見てもここまで4戦で3勝負けなし、防御率0.78という圧倒的な数字を残す三嶋一輝を筆頭に、国吉佑樹や飯塚悟史といった若き先発投手たちがひしめき合っており、一軍昇格は狭き門。
親子ほどの年齢差がある若手の中に混じり、ここまで5試合で0勝2敗、防御率5.04と苦しい投球が続く三浦にとっては厳しい戦いとなっている。
昨年5月5日のヤクルト戦。三浦はプロ野球最長タイ、右投手としては新記録となる「23年連続勝利」をマークした。初勝利は入団2年目の1993年の広島戦。それから途切れることなく毎年白星を挙げ、横浜で「172」もの勝ち星を積み重ねてきた。
2008年のシーズンオフには、6年契約が切れたためFA宣言。三浦に“やられていた”阪神などが熱心に獲得に動いたが、三浦は球団と、なにより横浜ファンの想いを受け、残留を決断する。
前人未到の「24年連続勝利」へ!
チームの今後を見据えたとき、ファームから昇格させるとしたら前述の三嶋や、2年目の飯塚悟史らが優先される可能性は高い。それはしかたがないことだ。
しかし、三浦が25年目の“開幕マウンド”を迎えた時...ベテランは四半世紀に渡って横浜のユニフォームを共に着続けたファンだけでなく、全国のプロ野球ファンからの後押しを受けて、相手に立ち向かっていっていることだろう。
横浜が誇る一人の大投手として、また新たな“球界のレジェンド”として。三浦には是非とも記録を塗り替えていってほしい。
前人未到の「24年連続勝利」へ向けて……。三浦大輔のシーズンはまだまだ始まったばかりだ。