“平成の怪物”は右肩の故障から復活を目指す
プロ野球界では、エースナンバーと呼ばれることの多い背番号「18」。今季は12球団のうち10球団の選手たちが「18」を背負う。その中には、かつて高校時代に甲子園を制した投手たちも付けている。
ソフトバンクの松坂大輔がその一人だ。横浜高校時代はエースとして、1998年に史上5校目の春夏全国連覇を達成に大きく貢献。99年に西武入団後は、1年目から3年連続最多勝に輝くなど、数々のタイトルを獲得した。07年からは活躍の舞台をメジャーに移し、レッドソックスでは世界一の立役者に。日本の野球界を盛り上げてきた1人だった。
しかし、ソフトバンクに入団した15年からは故障に悩まされている。9年ぶりに日本球界復帰した昨季は、大きな注目を集めたが、夏に右肩を手術したこともあり、一軍登板はなし。悔しい結果に終わった。
復活を目指す今季は、キャンプから二軍で調整を続ける。4月20日の中日との二軍戦で、今季初先発を果たしたが、立ち上がりから制球に苦しみ、2回を4安打、3四死球、2失点。それでも4月27日の中日との二軍戦では、右肩手術後最長となる4イニングを投げ、徐々にペースアップしている。層の厚いソフトバンク先発陣に入り込むのは簡単ではないが、二軍で結果を残し、一軍のマウンドに上がりたいところだ。
一軍昇格に向けて好投を続ける斎藤
斎藤は早稲田実業高時代に“ハンカチ王子”の愛称で親しまれ、3年夏の甲子園決勝ではヤンキースで活躍する田中将大に投げ勝ち、全国制覇を成し遂げた。高校卒業後にはプロ入りせず、早稲田大へ進学。そこでもエースとして活躍し、10年にドラフト1位で日本ハムへ入団。
プロ入りまでは順風満帆に来た斎藤だが、プロ入り後は苦しんでいる。1年目の11年こそ6勝を挙げたが、5勝、0勝、2勝、1勝と年々成績は下降。
そして今季は先発ローテーション入りを逃し、開幕二軍スタート。その二軍でも打ち込まれるシーンが多かったが、4月22日の楽天との二軍戦で、9回を5安打1失点にまとめ完投勝利。さらに29日の西武との二軍戦では、5回から2番手としてマウンドに上がり、4回を3安打0四球5奪三振と2試合連続で安定した投球を披露。
一軍の先発陣の顔ぶれを見ると、大谷翔平、メンドーサ、吉川光夫、有原航平の4枚が軸で投げているが、残りの2枠は入れ替えが行われそうだ。調子を上げている斎藤が一軍登板する日も近そうだ。
松坂と斎藤の2人がプロで残してきた実績は違うが、甲子園優勝投手、背番号18という共通点がある。ファンからの人気も高く、1日でも早く一軍で投げる姿をファンに見せたいところだ。