ニュース 2016.05.18. 06:30

サイ・ヤング賞、エドガー・マルティネス賞…メジャーでは多い個人名を冠にした賞

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現役時代のエドガー・マルティネス
 日本では、沢村賞、正力松太郎賞、メジャーではサイ・ヤング賞が有名だ。沢村賞、サイ・ヤング賞は、年間最優秀投手に与えられる名誉ある賞。正力松太郎賞は、プロ野球の発展に大きく貢献した人に与えられる賞。

 ただ、メジャーには、不思議に思う賞が多い。たとえば、エドガー・マルティネス賞。マルティネスは、イチローが2001年にシアトル・マリナーズに入団したときの同僚だ。1987年からマリナーズ一筋、18年。95年からは、指名打者として大活躍し、同年には打率.356で首位打者を獲得した。この打率は、シーズン指名打者の最高打率として、今なおメジャー記録となっている。

 つまり、エドガー・マルティネス賞は、最優秀指名打者賞のことなのだ。この賞は、73年に設立され、指名打者制をとっているア・リーグのみの賞となっている。当初は、最優秀指名打者賞と呼ばれていたが、マルティネスの功績をたたえて、2004年に改称された。マルティネス自身は、5度獲得した。なお、最多受賞は、ボストン・レッドソックスのデービッド・オルティーズで7度となっている。

 またメジャーには、サイ・ヤング賞の打者版がある。99年に設立されたハンク・アーロン賞だ。ハンク・アーロンがベーブ・ルースの通算本塁打記録714本を塗り替えてから25周年を記念して設立された。

 両リーグで、その年にもっとも活躍した選手に贈られる。選出システムは、何度か変更されたが、現在はファン投票によって選ばれている。最多は、ア・リーグではアレックス・ロドリゲスの4度、ナ・リーグではバリー・ボンズの3度となっている。

 日本の正力松太郎賞に近いのが、メジャーのロベルト・クレメンテ賞だろう。これは、慈善活動を精力的に行うなどの社会貢献が認められた選手に贈られる賞だ。1971年に設立された当時はMLBコミッショナー賞だったが、1972年にクレメンテが慈善活動中に不運な事故死をしたことで、翌年に改称されたという。

 メジャーに比べて、日本では個人名を冠にした賞が少ないように思う。野球の表彰も歴史の積み重ね。未来に向けて、野球選手の励みになるなら、増やしても良さそうだ。

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