最近10年で0人…高卒4年目で20発超えの左打者
日本ハムの大谷翔平が、驚異的なペースで本塁打を量産している。
17日のソフトバンク戦で、先発のバンデンハークから先制の第8号2ラン。野手出場5試合連続となる一発で、キャリアハイとなる2014年の10本塁打まで残り2本。今年はその先の「シーズン20本塁打」への期待が高まっている。
高卒4年目の野手で20本塁打以上放った選手を探してみると、近年では山田哲人(ヤクルト)が14年に29本塁打、10年に坂本勇人(巨人)が31本塁打を記録。
しかし、その一方で左打者はというと、T-岡田(オリックス)が10年に33本塁打で本塁打王のタイトルを獲得し、筒香嘉智(DeNA)が14年に22本塁打を記録したが、これはいずれも“高卒5年目”での達成だった。
“左の和製大砲”の減少が叫ばれている近年の球界であるが、改めて最近10年間を振り返ってみると、「高卒4年・左打者・20本塁打」をクリアした選手はゼロ。実は大きな課題となっている。
「高卒4年・左打者・20発」をクリアした偉大な打者たち
では、もう少し遡って見てみよう。
すると、最近では“ゴジラ”こと松井秀喜氏(元巨人)や、イチロー(マーリンズ)が高卒4年目のシーズンに左打者で20本塁打以上放っている。
松井氏は、2年目の時点ですでに20本を記録。3年目は22本、そして4年目にはさらなる飛躍を見せて38本塁打を記録した。
“安打製造機”というイメージの強いイチローも、4年目のシーズンで25本塁打を記録。これは日米通じてこれまでのキャリアで最多の本塁打数となっている。
この年はほかにも2年連続の首位打者に打点王、盗塁王、最多安打などのタイトルを獲得。大きく飛躍したシーズンであった。
この他にも、世界の本塁打王・王貞治をはじめ、ミスタータイガース・掛布雅之、イチローが憧れた天才・前田智徳などが高卒4年目のシーズンで20本塁打以上を放っている。
そうそうたる顔ぶれに、投手と野手の“二刀流”をこなす大谷が挑む…。かなり高い壁ではあるが、ぜひ実現させて欲しいところだ。
ちなみに、昨季20本塁打以上放った選手はセ・パ合わせて12人いたが、日本人の左打者では柳田悠岐(ソフトバンク)、筒香嘉智(DeNA)、福留孝介(阪神)の3人だけ。球界全体を見渡しても左の長距離砲は減っていることがわかる。
日本のエースという期待とともに、稀少な左打ちのスラッガーとしての期待もかかる大谷。これからどこまで本塁打数を伸ばしていくのか、今からたのしみだ。
【高卒4年目に20本塁打以上放った主な選手】
・王貞治(巨人)
[1962年] 134試 率.272 本38 点85
・掛布雅之(阪神)
[1977年] 103試 率.331 本23 点69
・前田智徳(広島)
[1993年] 131試 率.317 本27 点70
・イチロー(オリックス)
[1995年] 130試 率.342 本25 点80
松井秀喜(巨人)
[1996年] 130試 率.314 本38 点99
※()は当時の所属球団