前田健太は出だし好調も...
5月も中旬を迎え、各チーム勢いの差が徐々に現れ始めてきているメジャーリーグ。日本人メジャーリーガーで話題を振りまいた選手といえば、ドジャースの前田健太だろう。
悲願のメジャー挑戦を叶え、ドジャースに入団。デビュー戦で初勝利を挙げただけでなく、その試合で初本塁打を放つなど、3連勝の鮮烈デビュー。アメリカのファンたちの度肝を抜いた。
ところが、ここに来て4試合勝ちなし。3つ敗れて勝ち数と負け数が3勝3敗のタイになってしまう。好スタートを切ったかに見えた新人王レースの現状はどうなっているのか。今回はマエケンのライバルとなりそうな選手たちの現在をピックアップした。
最大のライバルは同地区に現れた驚異の新人
4月の下旬、3試合で2勝0敗、防御率0.47というロケットスタートを切った時点では、現地メディアの予想で新人王争いの「2番手」という評価を受けていた前田。しかし、今年のナショナル・リーグは若手有望株の活躍ぶりが光っており、ライバルは多い。
まずはロッキーズのトレバー・ストーリー。今年メジャーデビューを果たした純粋なルーキー内野手である。
まずはデビューから4試合連続本塁打という史上初の偉業を成し遂げると、開幕6試合で7本塁打と驚異的なペースで本塁打を量産。最終的には月間10本の本塁打を放ち、4月の月間最優秀新人に選出された。
5月に入ってからは15試合で1本塁打とややその勢いに陰りは見えるが、それでも月間打率は.302とアベレージの方はしっかり上げてきている。
出場37試合で三振をしなかった試合が3試合だけとまだまだ粗さは見られるものの、この爆発力は驚異的。ドジャースと同地区に所属するロッキーズの選手ということもあってマエケンとはまさに直接のライバル関係となるだけに、ストーリーの動向から目が離せない。
近年稀に見る熾烈な争い
その他にも、今年のナ・リーグには注目選手が多数いる。
まずはマエケンの同僚であるコリー・シーガー。メジャーデビューは昨季済ませているが、新人王の資格を持っている。
マリナーズに所属するカイル・シーガーの弟でもあるシーガーは、昨年シーズン終盤のデビューで27試合の出場ながら打率.337と強烈なインパクトを残し、ポストシーズンにも出場。
今年もここまで39試合の出場で打率.291、7本塁打。遊撃手のレギュラーポジションを不動のものにしようとしており、このまま定着すれば新人王候補になってくるだろう。
投手では、メッツのスティーブン・マッツもおもしろい存在。身長190センチの長身左腕も昨季がメジャーデビュー。負傷もあって先発で6試合の登板に留まったが、その中で4勝0敗、防御率2.27を記録。大きな注目を集めた。
今年もローテーションの一角としてここまで6試合に登板。5勝1敗、防御率2.86と安定感は健在。同ポジションなだけに、マエケンの比較対象として今後も名前が出てくることだろう。
まだまだ候補となりそうな選手はいるが、ピックアップしただけでもこれだけの名前と成績を残している選手がいる。まさに今年の争いは熾烈を極めている。
近年稀に見る激しさのナ・リーグの新人王争い。ドジャースからの選出となると、1996年のトッド・ホランズワース以来のこと。ちなみに、その前年の1995年の受賞者が野茂英雄だった。
日本人の選出となると、2001年のイチロー(マリナーズ)以来で15年ぶり。日本人4人目の栄誉へ…。チャンスは人生1度きりというかけがえのないタイトルを、是非とも前田には狙って行ってもらいたい。