大学日本一を決める戦いは格好の“就活”の場?
6日から開幕した大学日本一を決める熱き戦い「全日本大学野球選手権大会」。全国27の代表校が日本一を目指し、日々熱戦を繰り広げている。
今年もあっと言う間に4強が出揃い、11日に行われる準決勝では中京学院大-奈良学園大、中央学院大-上武大の2試合が行われる。
神宮球場と東京ドームで開催されるこの大会、実は“金の卵”が全国から集まる大会として有名。球場のネット裏では各球団のスカウト陣が目を光らせているのだ。
もちろん候補生のチェックもさることながら、新たな出会いがあるのもこの場ならでは。まだ世に出ていない隠し玉候補の発掘にも躍起になっているという。
逆に言えば、プレーする選手たちにとっては日本一をかけた戦いの場でありながら、自らを売り込む“就活”の場でもあるということ。スカウト陣同様、選手たちもひとつひとつのプレーに力が入る。
現在のプロ野球選手を多数輩出!
現在のプロ野球界を見ても、この大会を経験した選手というのは大勢いる。
例えば2002年、この年の決勝戦は亜細亜大-早稲田大というカードになったが、その時の亜大の先発が木佐貫洋(元巨人、日本ハム)で、早稲田の方も和田毅(ソフトバンク)という超豪華な投げ合い。しかも、亜大の4番には松田宣浩(ソフトバンク)が座っていた。
緊迫した投手戦となった決勝は、亜大がサヨナラ勝ちで2年ぶり4度目の優勝を果たしている。
そして翌2003年、敗れた早稲田は“歴代最強”と呼ばれたメンバーを引っさげてリベンジを狙った。その時の主なメンバーは以下の通りである。
1番 田中浩康(ヤクルト)
2番 青木宣親(マリナーズ)
3番 鳥谷敬(阪神)
4番 比賀寿光(元広島)
5番 武内晋一(ヤクルト)
6番 由田慎太郎(元オリックス)
このように、打線のほとんどがプロになった選手たち。2002年の春からこの大会が終わった後の2003年秋にかけてリーグ戦4連覇を達成するまさに“最強世代”だったのだが、なんとこの大会では後に優勝する日本文理大に敗れ、3回戦で姿を消した。
ちなみに、日本文理大を優勝へ導き、大会MVPに輝いたのが、現巨人の脇谷亮太である。
高校野球の一番大きな“品評会”が甲子園だとすると、大学野球はこの「全日本大学野球選手権」になる。この秋を賑わせる男は誰なのか、今から探すというのもおもしろい。