若い選手を積極的にスタメンで起用
12日の広島戦に勝利し、5位に浮上した楽天は、高卒ルーキーのオコエ瑠偉を始めとした若手野手の積極起用が目立つ。
【6月12日 広島戦のスタメン】
3(遊)茂木栄五郎 22歳
4(三)ウィーラー 29歳
5(右)岡島豪郎 27歳
6(一)内田靖人 21歳
7(指)牧田明久 34歳
8(捕)足立祐一 27歳
9(二)吉持亮汰 23歳
平均年齢=26歳
【3月25日 開幕戦のスタメン】
1(右)岡島豪郎 27歳
2(一)銀次 28歳
3(中)松井稼頭央 41歳
4(左)ウィーラー 29歳
5(三)今江敏晃 33歳
6(遊)茂木栄五郎 22歳
7(指)ゴームズ 36歳
8(二)藤田一也 34歳
9(捕)嶋基宏 32歳
平均年齢=31歳
※年齢は2016年の満年齢
6月12日の広島戦にスタメン出場した野手の平均年齢は26歳。これに対し、3月25日ソフトバンクとの開幕戦のスタメンを見ると、平均年齢は31歳。開幕戦から比べて、かなり若返っていることが分かる。
その背景には、故障した嶋基宏、打撃不振の銀次を始めとした中堅・ベテランの登録抹消が関係する。銀次は日本一に輝いた2013年から2年連続打率3割以上を記録し、侍ジャパンの一員に選ばれたこともある実力者だが、今季は開幕から打撃の状態が上がらず二軍落ち。銀次だけでなく、ロッテからFA移籍した今江敏晃、チーム野手最年長の松井稼頭央も二軍で再調整中となっている。
一方、ベテランに代わって出場する若手野手たちは、期待に応えようと必死にアピールしている。12日の広島戦では、3点を追う6回にルーキーの吉持亮汰、オコエ瑠偉の2人がチャンスメイクすると、茂木栄五郎が犠飛。ルーキー3人の活躍で1点をもぎ取ると、岡島豪郎、高卒3年目の内田靖人のタイムリーで同点に追いついた。最後はベテラン・藤田一也の一打でサヨナラ勝ちを決めたものの、若手の活躍ぶりが目立つ試合となった。
気になるオコエの育成方針
開幕からスタメン出場を続ける茂木の活躍が際立っているが、ここへ来て高卒ルーキーのオコエ瑠偉も存在感を見せる。オコエは開幕一軍を掴むも、4月14日に一軍登録抹消。二軍での再調整を経て、5月29日に再昇格を果たした。
5月31日の阪神戦でプロ初安打をマークすると、6月1日の試合ではプロ初打点を記録。6月は11試合中、10試合で先発出場し、11日の広島戦では猛打賞の活躍を見せた。
一軍で結果を残し始めている一方で、オコエは高卒の新人野手。二軍で経験を積ますべきとの声もある。12日の『S1』(TBS系)に出演した野村克也氏は、打席に入る前のオコエの素振りを見て「レベルスイングをイメージして普通は平行に振るじゃん。(オコエは)頭の上を振っているじゃん」とアッパースイングになっていることを指摘。「変化球はどう対応するの?」と話し、「二軍に置いて、少年野球のように素振りから教える。基礎基本をおろそかにすると、短命で終わってしまう」と二軍で実戦を積むことを勧めた。
また、二軍で基礎をみっちりと学ぶことで「ヤクルトの山田のように足があるから、4冠王のチャンスがある」と才能を開花させる可能性が高くなると分析する。
ドラフト1位とはいえ、オコエは高卒ルーキー。猛打賞を記録するなど再昇格後は好調が続いているが、この先、調子を落とすことも十分に考えられる。その時に、一軍での経験を優先させて我慢強く起用していくのか。それとも野村氏が話したように二軍でじっくり経験を積ませるのか…。若手選手を積極的に起用していく中で、オコエが調子を落としたときに首脳陣がどのような判断を下すか注目だ。