後半戦のカギ握る「広島包囲網」
プロ野球も開幕から約3カ月が経過。交流戦も終わり、24日からはいよいよリーグ戦が再開する。
伝統的に交流戦を苦手としているセ・リーグは、今年も相性の悪さを露呈。11勝6敗1分と大健闘を見せた広島が唯一の勝ち越しチームとなり、セ・リーグの貯金を独占している。
2位の巨人とは6ゲーム差。一歩抜けだした感のある赤ヘル軍団だが、他の5球団としてはそれを黙ってみているわけにはいかない。独走を阻止するためにも、各チームの「対広島」の戦いが重要になってくる。
そこで今回は、広島を追うセ・リーグ5球団の中で「広島に強い選手」をピックアップ。ストップ・ザ・カープのキーマンとなりそうな選手を探してみた。
2位 巨人
今季成績:32勝33敗3分
広島とのゲーム差:6
広島との対戦成績:6勝5敗
広島との残り試合:14試合
→ ホーム:8試合
→ ビジター:6試合
【対広島のキーマン】
菅野智之
今季成績:13試 5勝3敗 防0.88
対 広 島:1試 1勝0敗 防2.00
☆防御率0点台と驚異の数字を誇る菅野。広島戦は1試合に登板して1勝、防御率2.00。昨季は3勝3敗と五分になったが、キャリア通算では11勝4敗、防御率2.07と広島戦を得意にしている。
3位 中日
今季成績:32勝35敗3分
広島とのゲーム差:7
広島戦の対戦成績:3勝7敗1分
広島との残り試合:14試合
ホーム:6試合
ビジター:8試合
【対広島のキーマン】
平田良介
今季成績:56試 率.278 本10 点39
対 広 島:8試 率.292 本0 点4
☆クリーンナップを打つキャプテンが、広島投手陣を打ち崩すにカギを握る。今季はここまで.292という対戦打率になっているものの、昨季は.316、その前の2014年も.305と安定。特に黒田博樹に対しては、通算で16打数6安打と打ち込んでいる。
4位 阪神
今季成績:32勝36敗3分
広島とのゲーム差:7.5
広島戦の対戦成績:4勝5敗
広島との残り試合:16試合
ホーム:6試合
ビジター:10試合
【広島戦のキーマン】
福留孝介
今季成績:61試 率.301 本3 点22
対 広 島:6試 率.381 本0 点2
☆チーム打率がリーグワーストの.242と打線が苦しい中、規定到達者ではチームで唯一の打率3割を超えを記録。対広島となると更にその数字は上がり、ここまで.381とよく打っている。実は中日時代から“広島キラー”として知られ、阪神に加入した1年目のシーズンこそ打率.122に抑えられたが、移籍2年目以降の広島戦では.309という打率を残しているのも心強い点か。
5位 DeNA
今季成績:31勝36敗3分
広島とのゲーム差:8
広島戦の対戦今季:6勝5敗
広島との残り試合:14試合
ホーム:8試合
ビジター:6試合
【広島戦のキーマン】
筒香嘉智
今季成績:61試 率.308 本16 点42
対 広 島:8試 率.406 本3 点 9
☆いまや球界を代表する左のスラッガーになった男は、今シーズン広島戦ですでに3本塁打をマーク。2014年からの3年間で広島から15本のアーチを描いており、その長打力に期待が高まる。
6位 ヤクルト
今季成績:30勝41敗1分
広島とのゲーム差:11
広島戦の対戦成績:4勝7敗
広島との残り試合:14試合
ホーム:6試合
ビジター:8試合
【広島戦のキーマン】
小川泰弘
今季成績:13試 3勝3敗 防4.57
対 広 島:2試 0勝0敗 防6.55
☆なかなか波に乗れない今シーズン…。苦しい戦いが続くライアンには、得意の広島戦でキッカケを掴んでもらいたいところ。プロ入りから昨年までの広島との対戦は15試合で10勝1敗、防御率も1.93と無類の強さを誇っていた。自らのチームが浮上していくためにも、エースの復調は不可欠。後半戦の逆襲に期待したい。
その他、能見篤史や藤浪晋太郎(ともに阪神)なども広島戦を比較的得意としており、この投手たちのローテーションのめぐり合わせもシーズンの行方を左右しそうだ。
25年ぶりVへと突き進む広島に待ったをかけるのはどこか…。後半戦は逃げ慣れていない広島の“逃げ”と、追いかける5球団の“広島包囲網”に注目だ。