安打は消え、打席に立っていない選手が凡退!?
現地時間4日、ナショナルズ・パークで行われたナショナルズとブリュワーズの一戦で珍事が起きた。
それは1回表、ブリュワーズの攻撃時のこと。二死走者なしから3番打者のライアン・ブラウンがセンター前にクリーンヒットを放ち、二死一塁となって4番のジョナサン・ルクロイに打順が回る。
ところが安打の直後、カメラはベンチから飛び出してきたナショナルズのベーカー監督を捉える。なにやら球審に確認を取っている模様。そして審判団が集まって協議した結果、なんと一塁走者のブラウンにアウトが宣告されたのだ。
何が起こったのかというと、その発端は試合前までさかのぼる。
試合前に行われる両チーム間でのメンバー表交換。そこでナショナルズベンチに渡ったメンバー表には、「3番ルクロイ」「4番ブラウン」と書かれていたのだ。
しかし、現地放送局の映像を確認してみると、テレビの打順紹介も、球場内のスコアボードも「3番ブラウン」と記載。ナショナルズ側に手渡された“公式”のメンバー表だけが「3番ルクロイ」となっていたようだ。
ブリュワーズのカウンセル監督は、試合前にブラウンをスタメンから外すパターンなど、いくつかの打順を準備していたようで、補佐コーチにも2つ以上のメンバー表を渡していたとのこと。それが今回のハプニングにつながってしまったということらしい。
これによりブラウンの安打は取り消しとなり、打席に立たなかったルクロイに「捕ゴロ」が記録されてしまった。ちなみに、2回表に先頭打者として打席に立ったブラウンもサードゴロに倒れている。
試合はブリュワーズが1-0で勝利したため、事なきを得たのだが、打席に立たなかったのにも関わらず凡打扱いされたルクロイにとってはとんだ災難。
なお、ルクロイはこの日“3度”の打席で4打数無安打に終わり、シーズン打率は.296となった。シーズン終了後、このハプニングのせいで「打率3割を逃した」なんてことにはならなければよいのだが……。