帰ってくる背番号「11」
ヤクルトの背番号「11」が、ついに帰ってくる――。
7月9日、ヤクルトの由規が本拠地・神宮球場で先発。男にとっては2011年の9月3日・巨人戦以来、実に1771日ぶりの一軍マウンドとなる。
チケットはホーム・一塁側はすべて完売となっており、入場者には応援メッセージを書き込める「応援ボード」が配布されるなど、球場は“由規一色”に染まることだろう。
最高の状態で迎える復帰戦。心配なのは天気くらいだ。
雨の復帰戦はお似合い?
朝から雨模様の東京。ただ、これも“由規らしさ”なのかもしれない。
2007年のドラフト会議。高校生ドラフト1位で指名された由規は、指名後の会見で家族への感謝を述べながら号泣。「泣き虫王子」なるアダ名もついた。
そんな由規にとって、雨というシチュエーションはお似合いなのかもしれない。
5年ぶりとなる一軍マウンド。5年前といえば、故郷が大震災に襲われた2011年。「野球で東北の人に力を与えたい」……そんな強い気持ちで臨んだシーズンであったが、ケガには勝てず。皮肉にもその年を最後にマウンドから遠ざかることとなった。
復活を信じるファンはもちろんんこと、地元・東北の人々を勇気づけるような投球を――。様々な思いを背負い、男はマウンドへと登る。
5年ぶりのマウンドで復活を果たした時、お立ち台の由規はきっと涙を流していることだろう。“泣き虫王子”の復帰戦。ファンの期待を一身に背負った背番号「11」はどんな投球を見せてくれるのか。注目だ。
【由規】
生年月日:1989年12月5日(27歳)
身長/体重:179センチ/80キロ
投打:右投左打
経歴:仙台育英高-ヤクルト(07年・高1位)
[通算成績] 68試 26勝26敗 防3.46