ペナントレースも残すところ約1カ月
この夏の一大イベントであるオリンピックと、毎年恒例の夏の甲子園が閉幕。いよいよ8月も終わりが近づいてきた。
プロ野球のペナントレースも残り約1カ月、各球団30試合程度を残すのみとなり、セ・リーグでは首位の広島にマジックが点灯。パ・リーグはここに来て日本ハムが最大11.5ゲームあった差をひっくり返して首位に立つなど、ゴールへと向けた動きが激しさを増している。
そんな中、ここへ来て存在感を放っているのがセ・パ両リーグにおける“ネコ科”のチームだ。
大逆転でのCS進出へ、若手が力を発揮し始めた西武
まずはパ・リーグの埼玉西武ライオンズ。7月は7勝16敗と大きく負け越し、一時は最下位にまで沈んだものの、8月は11勝8敗と3つの勝ち越し。2013年以来となる5カード連続勝ち越しを決めるなど、ようやく状態が上向いてきた。
秋山翔吾や浅村栄斗ら主軸の復調に加え、これまでなかなか一軍に定着できなかった山川穂高が一軍の舞台でもその打棒を発揮。さらにルーキーの呉念庭がショートのポジションを奪いつつあるなど、野手の若い力が続々と台頭。
さらに投手陣では、エースの岸孝之が7月以降5勝2敗と立ち直りの兆しを見せつつあり、左腕の菊池雄星も故障から復帰後3連勝。ドラフト1位ルーキーの多和田真三郎も、8月はプロ初完封を含む3勝1敗と輝きを放ち始めており、ようやく投打が噛み合ってきている。
CS圏の3位まで現時点で10.5ゲーム差と厳しい状況に変わりはないが、今日からの日本ハム戦を皮切りにソフトバンク、ロッテ、楽天、ロッテ、ソフトバンク、ロッテ、楽天...と上位陣との直接対決が続く。
ロッテや楽天といったCS圏を争うライバルとの対戦もさることながら、日本ハム戦が5試合、ソフトバンク戦は8試合も残っており、パ・リーグの行方は西武が握っていると言っても過言ではない。
優勝争いのカギを握るチームとしても、3位滑りこみを目指す立場としても...。ついに目を覚ました西武の戦いから目が離せない。
阪神の“超変革”は実を結ぶか...
一方のセ・リーグで“ネコ科”といえば、阪神タイガース。8月25日までのDeNAとの直接対決3連戦で3連勝を収め、CS圏内の3位に0.5ゲーム差と迫ってきた。
貧打に苦しんできたチームだが、こちらも若手の台頭が光る。鳥谷敬をベンチに追いやった北條史也は、8月の月間打率.310をマーク。出塁率も.403と上位を打つ打者として申し分ない活躍を見せており、レギュラーの座を掴もうとしている。
さらにルーキーの高山俊も、ここに来て復調中。ルーキーながら規定到達でチーム2位の打率を残す男は、8月月間で見ると打率は.279と特筆すべきものではないものの、得点圏に限ると.389と勝負所で集中力を発揮。25日のDeNA戦ではプロ初の満塁弾を含む6打点を叩き出すなど、チームの勝利に大きく貢献した。
あとは0.5差に捉えたDeNAと、後ろを振り返ると2ゲーム差でついて来ているヤクルトとのしびれる勝負になる。
その中で、阪神はDeNAに対して13勝5敗1分と相性の良さを発揮中。ヤクルトに対しても10勝8敗1分と勝ち越しており、両者との直接対決は6試合も残っている。これまで通りの相性を発揮できれば、一気に3位は近づいてくるだろう。
また、天敵である広島との対戦が2試合だけというのも大きい。残るは14日に甲子園、22日はマツダで1試合ずつを戦うのみとなっている。
あとは6勝12敗と負け越す巨人との戦いをいかに乗り切るか...。本拠地で迎える“伝統の一戦”残り6試合が、阪神の命運を握る。
これからの9月戦線は、若き力が躍動する“ネコ科チーム”から目が離せない。