広島・ジョンソンが15勝、野村が14勝
広島のジョンソンが13日の中日戦で、両リーグ単独トップとなる15勝目を挙げた。
ジョンソンは試合後のヒーローインタビューで「(単独トップの期間は)少しでいいと思います。次に(野村)祐輔が投げて15勝目を手にして、2人でまた同率の勝利数になればいいと思います」と話した。
ジョンソンが15勝で一歩リードしたが、野村祐輔もここまでリーグ2位の14勝をマーク。同一シーズンに同一球団から複数の最多勝投手を輩出する可能性は十分に考えられる。
過去の同一球団から複数の最多勝利投手は?
80年以上の日本プロ野球の歴史で、同一シーズンに同一球団から複数の最多勝利投手はというと過去に3例ある。直近では96年の巨人・ガルベス、斎藤雅樹の2人だ。この年の春季キャンプに行われた入団テストで合格を勝ち取ったガルベスは、先発の一角を担い、16勝をマークした。
96年前まで4度最多勝に輝いたことのある斎藤雅は、この年も白星を積み重ねた。8月16日のヤクルト戦では、延長12回を1人で投げ抜き、その裏チームがサヨナラ勝ちし通算150勝を達成。最終的には、16勝を記録しガルベスとともに最多勝となり、リーグ優勝に大きく貢献した。
93年には横浜の野村弘樹とともに、中日の今中慎二と山本昌の2人が17勝を挙げ、最多勝のタイトルを獲得した。“左のWエース”として90年代前半の中日を支えた今中と山本昌。2人のこの年の成績を見ると今中は、30試合に先発して、17勝7敗、247奪三振、防御率2.20と抜群の安定感を誇った。最多勝だけでなく、最多奪三振、沢村賞、最優秀投手にも輝いた。
山本昌はこの年、シーズン終盤に故障で離脱したが27試合に登板して、17勝5敗、防御率2.05を記録。最多勝と最優秀防御率のタイトルを獲得し、さらには捕手の中村武志とともに最優秀バッテリー賞を受賞。今中と山本昌が大活躍したが、チームはこの年2位だった。
パ・リーグでは88年に西武の渡辺久信と並んで、日本ハムの西崎幸広、松浦宏明が最多勝に輝いた。西崎はルーキーイヤーだった前年、近鉄の阿波野秀幸とハイレベル新人王争いを繰り広げるも新人王を逃す。2年目の同年は15勝を挙げ最多勝となり、エースと呼ばれる存在に成長した。
また、プロ3年目の87年にリリーフで48試合に登板して、8勝を挙げた松浦はこの年、リリーフだけでなく先発にも挑戦。チームメイトの西崎と並ぶ15勝(5敗4S)をマークした。
過去に3例しかない同一球団から複数の最多勝投手。広島のジョンソンと野村は仲良く最多勝のタイトルを分け合うことができるだろうか。
同一球団から複数の最多勝投手
・1988年 日本ハム西崎幸広
成績:29試 15勝11敗 防2.50
松浦宏明
成績:36試 15勝5敗4S 防2.76
・1993年 中日
今中慎二
成績:31試 17勝7敗1S 防2.20
山本昌
成績:27試 17勝5敗 防2.05
・1996年 巨人
斎藤雅樹
成績:25試 16勝4敗 防2.36
ガルベス
成績:28試 16勝6敗 防3.05