中村晃はブレイク前年に二軍でタイトルを獲得
パ・リーグ首位を走るソフトバンク。二軍が16日の2位中日戦に3-1で勝利し、ひと足先にウエスタン史上初となる5連覇を達成した。今季は中日に大きくゲーム差を離された時期もあったが、夏場に勝ち星を積み重ねていき大逆転優勝を決めた。
ファームで結果を残し、一軍のレギュラーに成長していった選手もいる。中村晃がその一人。プロ5年目の12年、二軍の首位打者と最高出塁率に輝き、二軍優勝に大きく貢献した。翌年、選球眼の良さなどが評価され一軍の1番打者に定着。自身初の規定打席に到達し、打率.307をマークした。
14年は自己最多の143試合に出場し、打率.308、176安打で自身初となる最多安打のタイトルを獲得。翌年も打率.300を記録し、3年連続打率3割をクリア。5連覇の初年度に二軍だった選手が、今では選手層の厚いソフトバンクのレギュラーを立派に務めている。
かつて二軍で本塁打王に輝いた柳田
5連覇が始まる前年の11年に柳田悠岐も、二軍で本塁打王のタイトルを獲得した。13年までは故障などで一、二軍を往復することが多かった。だが、4年目の14年に一軍で全144試合に出場。打率.317、33盗塁を記録すると、15年は打率.363、34本塁打、99打点、32盗塁とさらに成績を向上させた。リーグMVP、首位打者、トリプルスリーを達成するなど、球界を代表する選手に成長。
今季は相手チームからのマークが厳しくなっていることもあり、打率.306、18本塁打、73打点、22盗塁と昨季に比べて成績を落とす。それでも、出塁率はリーグトップの.446を記録するなど、役割を果たしている。右手を骨折し離脱したのは痛いが、早期復帰が待たれる。
育成出身の千賀
投手陣では、千賀滉大がそうだ。10年育成ドラフト4位でソフトバンクに入団した千賀は、2年目の12年に支配下契約を勝ち取る。この年、千賀は二軍で防御率1.33の成績を残し、最優秀防御率のタイトルを獲得。翌13年には一軍で34回1/3を連続無失点に抑えるなどリリーフで活躍した。
さらなる飛躍が期待された14年は、右肩痛の影響で長期離脱。15年から本格的に先発転向。二軍で9勝2敗、防御率2.00の成績を残し、ウエスタン・リーグ4連覇に大きく貢献。一軍でも先発として2勝をマークし、シーズン終盤には先発の一角を担った。そして、今季は開幕からローテーションを守り、12勝2敗、防御率2.61と圧倒的な成績を残している。
若鷹も一軍定着できるか
また柳田、中村、千賀のようにレギュラーで活躍が期待される選手たちが、二軍で汗を流している。昨季、二軍で首位打者、最多盗塁などのタイトルを獲得したプロ3年目の上林誠知はポテンシャルが非常に高い。さらに今季ここまでウエスタン・リーグ記録となるシーズン120安打を放つ塚田正義などがいる。
選手層が厚く、ソフトバンクのレギュラーを獲得するのは難しい。それでも、柳田や中村はしっかりと定位置を確保し、千賀は先発ローテーションに定着した。ウエスタン・リーグ5連覇を達成した若鷹たちも、将来は一軍でバリバリ活躍することができるだろうか。