今季プロ初安打を記録
2011年のドラフト会議で、日本ハムが7位で指名した大嶋匠。大嶋は小学校から大学まで、硬式野球の経験がない選手。一貫してソフトボールをやっていたという異色のプレーヤーなのだ。それでも、学生時代は有名な選手で、早大ソフトボール部ではU-19日本代表の4番打者として国際大会に出場。大学リーグの公式戦では13試合連続本塁打を記録するなど、大学通算80本のアーチを描いた。
ソフトボールでは抜群の成績を残した大嶋は、プロ入り後どのような成績を残したのか。
12年:一軍出場なし
14年:1試 率.000 本0 点0
15年:一軍出場なし
16年:12試 率.200 本0 点1
プロ入り5年目を迎えた今季は、初の開幕一軍の座をつかみ、代打で登場した5月31日のヤクルト戦で、右中間へ二塁打を放ちプロ初安打を記録。6月3日の巨人戦では、7回表に代打で出場し、ライト前ヒット。そのまま捕手に入り、8回表にもセンター前ヒット。初のマルチ安打も達成した。
まだまだ、一軍定着とはいかないが、徐々に、プロの水にも慣れてきたというところだろう。
大嶋だけじゃない。異色のプロ野球選手
プロ野球史上初のソフトボール出身選手。過去にも大嶋と同じように、異色の経歴でプロ入りした選手がいた。1969年ロッテに入団した飯島秀雄だ。飯島硬式野球の経験はなく、もともとは陸上の短距離選手。64年の東京五輪にも出場した。
その後、茨城県庁に就職したが、足を買われてロッテに入団。69年から71年まで3年間、ロッテに在籍し、0打席0打数0安打…、つまり打席に立つことはなく、代走専門で23盗塁を記録した。3年間で46得点と、代走で46度もホームインした。
異色のプロ野球選手は、めっきりと減った。だが、夢がある。大嶋には、日本ハムの代打の切り札になれるような活躍に期待したい。