○ ヤンキース 5x － 4 レイズ ●
＜現地時間9月11日 ヤンキー・スタジアム＞

　ヤンキースのイチロー選手が現地時間11日、本拠地でのレイズ戦に「6番・右翼」で先発出場。9回の第4打席でセンターへ二塁打を放ち、チームのサヨナラ勝利を呼び込んだ。

　ヤンキースはレイズ先発・コブの低めを丁寧につく投球の前にゴロの山を築いて沈黙。2試合続けて6番で先発したイチローも、第1打席で投ゴロ、第2打席で二ゴロ、第3打席も速球を打ち損じ三邪飛に終わり、コブに7回まで無安打投球を続けられる。

　しかし4点を追う8回裏、一死から昨日3安打1本塁打でノッているC.ヤングが二塁打を放ち、初安打を記録。ここでコブは降板し、代わった直後の2番手・ボックスバーガーからプラードが代打2ランをかっ飛ばし、たちまち2点差。試合の流れを一変させる

　そして9回、死球で先頭が出塁し、無死一塁で迎えたイチローの第4打席。今季68試合に登板し防御率1.34と抜群の安定感を誇る守護神・マギーの156キロ直球を見事に弾き返し、2試合連続の二塁打。イチローの一打で無死二、三塁と同点のチャンスを作る。一死後、打席にはコブから初安打を放ったC.ヤング。ファールの後の2球目、156キロの直球を完璧に捉えると、打球はレフトスタンドへと消える逆転サヨナラ3ラン。C.ヤングの連夜の大活躍で、ヤンキースがあわやノーヒットノーランというところから奇跡の逆転勝ちを収めた。

　これでヤンキースは2連勝。試合がなかったワイルドカード争い2位につけるタイガースとの差を4ゲームとし、奇跡のプレーオフ進出へ望みをつないだ。

　ジーターのラストイヤーを飾るべく奮起するチームに、ニューヒーローが登場。そして奇しくも9月11日、ニューヨークが悲しみに包まれたあの日に大逆転でのサヨナラ勝ち。ヤンキースがプレーオフに進出できたとすれば、この試合が間違いなくターニングポイントだったと言えるだろう。

　もしかすると……奇跡が本当に起こるかもしれない。