つながる赤ヘル打線の真骨頂!
広島と日本ハムによる日本シリーズが、今日22日に開幕する。今年のシリーズでは予告先発制度を採用。第1戦は広島・ジョンソン、日本ハム・大谷が先発マウンドに登る。
両投手ともCSファイナルステージの初戦を託され、ジョンソンは9回を3安打完封、大谷は7回を1安打無失点と互いに完璧な投球を見せた。大谷はリーグ優勝を決めた9月30日の西武戦でも9回1安打15奪三振の圧巻投球を披露しており、先発では2試合連続で1安打投球と手が付けられない状態だ。
難攻不落の二刀流だが、対峙する広島打線は12球団トップのチーム打率(.272)を誇る。もうひとつの武器が“選球眼”。出塁率.343も12球団1位で、同2位はソフトバンクの.341、同3位は日本ハムの.340。指名打者のないセ・リーグの広島がトップという成績は驚きだ。
出塁率の個人ランキングを見ても、リーグトップ10の中に広島の選手が4人もランクインしている。チームトップは鈴木の.404で、以下、丸の.389、新井の.372、田中の.367と続く。菊池もリーグ13位となる.358をマークしており、上位陣は揃って出塁率.350以上のハイアベレージを残している。
なかでも不動のリードオフマンに成長した田中は、レギュラーシーズンの打率こそ.265だったが、計94四死球を選び出塁率.367を記録した。選球眼の良さを示す「IsoD(出塁率-打率)」という指標があるが、田中はこの分野で一流と言われている.102をマークしている。CSファイナルステージでは打率.833と打ちまくりMVPを受賞したが、4試合すべてで四球を選び、打つだけでなく“眼”でもDeNA投手陣を苦しめた。
リリース安定までに時間を要する大谷
今シーズン大谷が先発登板した試合で印象的なシーンがあった。それはソフトバンクとの天王山となった9月21日の試合。ゲーム差なしで迎えた大一番で、ソフトバンクは1番打者にパンチ力に定評のある江川を起用したが、第1打席から連続三振を喫するなど、大谷の前に4打数無安打に倒れた。
特に初回、大谷は指にボールがひっかかり、明らかに制球に苦しんでいた。しかし、江川は初球の完全なボール球を空振りしてしまい、その後2ボール2ストライクから見逃し三振に倒れた。初球を冷静に見逃すことができていれば、3ボール0ストライクになっていた場面。そのあと2番本多、3番中村晃が連続四球で出塁したが、4番内川が併殺打に倒れ、大谷は完全に立ち直った。
先発時の大谷はリリースポイントが安定するまでに時間を要することがあり、今季も総じて初回には苦しんだ。ここに選球能力に優れた赤ヘル打線がどう立ち向かうか。第1戦は初回の攻防から目が離せない。