日本シリーズでは苦戦傾向?
広島と日本ハムの日本シリーズが、22日にマツダスタジアムで開幕する。CSファイナルステージでは、広島の田中広輔がCS新記録となる通算打率.833をマークする活躍ぶり。日本ハムの中田翔もCSファイナルでは打率.333、2本塁打、5打点と“4番”の役割を果たし、CSのMVPに輝いた。ここでは、2011年からの5年間でCSのMVPを受賞した選手が、日本シリーズでも活躍できたかを見ていきたい。
この5年間で見ると、CSでMVPに輝いた野手は、日本シリーズでそこまで好成績を残せていない印象だ。昨季、攻撃的な2番打者として活躍し、14年ぶりにヤクルトの優勝に導いた川端慎吾(ヤクルト)がその一人。巨人とのCSファイナルステージでは、第1戦から3試合連続マルチ安打をマークし、4試合で打率.467を記録した。しかし、日本シリーズではソフトバンク投手陣から5試合で18打数3安打と抑え込まれ、チームも日本一を逃した。
その他、CS第5戦でサヨナラ打を放った12年のCS MVP・石井義人(巨人)は、日本シリーズでも代打を中心に打率.500の活躍を見せたが、11年の内川聖一(ソフトバンク)、12年の糸井嘉男(当時日本ハム)、14年の吉村裕基(ソフトバンク)はCSに比べると打率を下げている。
一方、投手陣はというと、CSと変わらず日本シリーズでも結果を残している。13年の田中将大(当時楽天)はシーズン24勝0敗1Sと大活躍し、CSでも2試合に登板して1勝1セーブ、防御率0.00でMVPを獲得。巨人との日本シリーズでは第2戦に先発し、9回1失点で完投勝利。第6戦は9回160球を投げるも4失点で完投負け。それでも、翌日に行われた第7戦、3点リードの9回からマウンドに上がり、1回を無失点に抑え、球団初の日本一に導いた。
この5年では、野手のCSMVPは日本シリーズで成績を落としている傾向があるが、田中と中田はCSと変わらず大活躍することができるか注目だ。
CSMVPの日本シリーズ成績
2011年
セ:吉見一起(中日)
CS成績:2試 2勝0敗 防0.59
日本S成績:2試 1勝0敗 防1.29
パ:内川聖一(ソフトバンク)
CS成績:3試 率.455 本0 点3
日本S成績:7試 率.233 本0 点2
2012年
セ:石井義人(巨人)
CS成績:3試 率.333 本0 点1
日本S成績:3試 率.500 本0 点1
パ:糸井嘉男(日本ハム)
CS成績:3試 率.333 本2 点4
日本S成績:6試 率.240 本0 点1
2013年
セ:菅野智之(巨人)
CS成績:1試 1勝0敗 防0.00
日本S成績:2試 1勝1敗 防1.46
パ:田中将大(楽天)
CS成績:2試 1勝0敗1S 防0.00
日本S成績:3試 1勝1敗1S 防2.37
2014年
セ:呉昇桓(阪神)
CS成績:6試 0勝0敗4S 防2.17
日本S成績:3試 0勝0敗 防5.40
パ:吉村裕基(ソフトバンク)
CS成績:6試 率.238 本0 点6
日本S成績:5試 率.167 本0 点0
2015年
セ:川端慎吾(ヤクルト)
CS成績:4試 率.467 本0 点0
日本S成績:5試 率.167 本0 点1
パ:内川聖一(ソフトバンク)
CS成績:3試 率.417 本0 点4
日本S成績:出場なし
※()は当時所属球団