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“呪い”から解かれた日…カブスが71年ぶりのワールドシリーズへ

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71年ぶりとなるワールドシリーズ進出を決めたカブス

その時、歴史が動いた...


 シカゴ・カブスが閉ざされていた重い扉をついにこじ開けた。

 現地時間10月22日(日本時間23日)、本拠地リグリー・フィールドで行われたナ・リーグ優勝決定シリーズの第6戦。3勝2敗と優勝に王手をかけていたカブスはドジャースを投打に圧倒し、5-0で完勝。実に71年ぶり17度目のリーグ優勝を達成した。

 ワールドシリーズではア・リーグ覇者のクリーブランド・インディアンスと激突。1908年以来で108年ぶりとなるワールドチャンピオンをめざす。


のしかかった「ヤギの呪い」


 カブスがここまで苦しんだ要因のひとつとして、ある「呪い」の存在が挙げられる。

 「ビリー・ゴートの呪い」...。通称“ヤギの呪い”である。

 1945年、通算16度目の優勝を成し遂げたカブスは、ワールドシリーズでタイガースと対戦。2勝1敗と主導権を握っていたが、その第4戦で事件は起こる。

 地元シカゴでバーを経営していた熱狂的カブスファンのビリー・サイニアスは、愛するヤギのマーフィーくんを球場に連れて応援をしていた。もちろん、マーフィーくんのチケットも用意し、それが普段の観戦スタイルであった。

 ところが、この日に限って球団側からマーフィーくんの入場を禁じられてしまう。理由はヤギの“臭い”だった。

 これに激怒したビリーは「2度とここ(リグリー・フィールド)でワールドシリーズが行われることはないだろう」と言い残し、球場を去っていったという。

 すると、その後カブスは3連敗で敗退。その後は長い低迷期に陥り、予言通りその1945年を最後にリーグ優勝から遠ざかることとなった。


信じられない事件も...


 「呪い」による低迷から58年、ようやくカブスにチャンスが訪れる。

 2003年、カブスは新監督ダスティ・ベイカーの下で14年ぶりとなる地区優勝を達成。地区シリーズでは東地区覇者のアトランタ・ブレーブスを破り、リーグ優勝決定シリーズへと駒を進めた。

 相手はフロリダ・マーリンズ。初戦は敗れたものの、第2戦から3連勝で一気に王手。第5戦は敗れるも、3勝2敗で迎えた第6戦。カブスは先発マーク・プライアーの快投もあって7回まで3-0とリード。ついに「呪い」が解かれる瞬間が来たのだと誰もが思っていた。

 ところが、8回一死から二塁打の走者を許すと、続く打者の打球は三塁側ファウルグラウンドのフェンス際へ。カブスのレフトを守っていたモイゼス・アルーはフェンス際で打球に追いつき、捕球体勢に入っていたのだが、あろうことかその打球をスタンドのファンが触ってしまい、アウトが一転ファウルに。

 すると、その打者を四球で歩かせると、そこから一気に8失点を喫する大炎上。第6戦を落としたカブスはつづく第7戦も敗れ、3勝4敗で敗退。またも「呪い」を解くことができなかった。

 この一件は、捕球を妨害したファンの名前から「スティーブ・バートマン事件」と名付けられ、大きな波紋をよんだ。


最強・カブスが悲願


 昨年はワイルドカードから勝ち上がってリーグ優勝決定シリーズに進出したカブスであったが、奇しくも呪いのヤギと同名の“マーフィー”に打ち込まれてメッツに敗退。やはり、どうしても最後の最後で「呪い」を破ることができずにいた。

 それでも、今季は就任2年目を迎えた名将ジョー・マッドン監督の下で若い力が躍動。メジャー最多の103勝を挙げ、全体最高の勝率.640をマーク。ポストシーズンでも圧倒的な力を発揮し、ついに1945年ぶりとなるリーグ優勝を成し遂げた。

 「呪い」を解き放ち、いよいよリグリー・フィールドにワールドシリーズの戦いが帰ってくる。そこで目指すは108年ぶりとなるチャンピオン...。最強・カブスがさらなる高みをめざす。
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