勝利を呼び込む2回零封
26日に札幌ドームで行われた広島との日本シリーズ第4戦、1-1の8回にレアードが2ランを放ち、日本ハムが3-1で勝利。日本ハムは対戦成績を2勝2敗に戻した。
昨夜の勝利の立役者は、勝負を決めたレアードや同点弾を放った中田翔になるだろう。しかし、先発・高梨裕稔の後を受けて6回からマウンドに上がったバースの存在も大きかった。
一死からエルドレッドにライト前に弾き返されるも、松山竜平を内角のスライダーで空振り三振、安部友裕をフォークで空振り三振に仕留め無失点でこの回を切り抜ける。するとその裏、中田翔の一発で同点に追いついた。
直後の7回もマウンドに上がったバースは、イニング跨ぎを苦にすることなく、この回も無失点に抑え、広島に試合の流れを渡さなかった。バースがきっちりと2イニングを無失点に抑えなければ、中田の同点弾とレアードの勝ち越し2ランにはつながらなかった。
守護神・マーティンの離脱により、宮西尚生や谷元圭介といったリリーフ陣の負担が増すなか、回を跨げるバースの役割は重要な意味を持っている。
シーズンから14試合連続無失点中
シーズン序盤は先発だったが、その後は中継ぎの役割も担いつつ、9月に入ってからはリリーフ陣の一角として完璧なピッチングを披露。ソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでは、2勝1敗で迎えた第3戦、3点リードの9回からマウンドに上がり、セーブも記録した。
さらに、日本シリーズ進出を決めた第5戦では、初回に4点を失った先発・加藤貴之の後を受けて、2回からマウンドに上がり、4イニングを0に封じた。この活躍に吉井理人投手コーチは、自身のブログで「わしの中ではバースと谷元がMVPです」とCSのMVPにバースの名前を挙げたほど。
CS、日本シリーズで好投を続けるバースは、9月7日のロッテ戦から14試合連続無失点を継続中。リリーフだけに限ると無失点試合は16試合になる。ロングリリーフ、セットアッパー、抑えと、様々な役割をこなすバース。地味な存在かもしれないが、ここまでは陰のMVPと呼べそうなほど素晴らしい活躍を見せている。
大谷翔平や中田、レアードといった選手たちの活躍が目につく日本ハムだが、接戦の中で光るバースの存在感にも注目だ。
【バースのCS・日本シリーズ投球成績】
<CS>
10月14日【第3戦】
S 1回 1安打 0奪三振 0四死球 0失点
10月16日【第5戦】
○4回 2安打 3奪三振 2四死球 0失点
<日本シリーズ>
10月22日【第1戦】
- 0回2/3 0安打 0奪三振 2四死球 0失点
10月25日【第3戦】
○1回 1安打 1奪三振 0四死球 0失点
10月26日【第4戦】
- 2回 2安打 3奪三振 0四死球 0失点
※○は勝ち星、Sはセーブ、-は勝ち負けなし