秋の嵐は吹き荒れるか...
日本シリーズも終わり、いよいよストーブリーグの幕開けを迎えるプロ野球。中でも最大の目玉といえば、フリーエージェント(以下FA)による移籍だろう。
FAとは、いずれの球団とも選手契約を締結できる権利をもつ選手のことをいう。「国内FA」と「海外FA」の2種類が存在し、「国内FA」の場合はNPB組織に属する球団が対象。「海外FA」は外国のいかなるプロ野球組織の球団も含め、国内外のいずれの球団とも選手契約を締結できる権利となる。
資格を持っている選手は、日本シリーズが終了した日の翌日から土、日、祭日を除く7日間以内に、権利を行使するかどうかを表明しなければならない。今年の場合は11月9日まで、ファンにとっては気の抜けない日々となる。
今年は88人が有資格者となっているが、宣言をするのは毎年10人前後。なかには移籍せずに残留する選手もいる。
ここでは2008年より改正された現行の制度の概要と、2008年以降のFA宣言選手をまとめてみた。注目選手の多い今年、果たして“秋の嵐”は吹き荒れるのか...。ニュースから目が離せない日々がつづく。
FA制度
☆FAとは=いずれの球団とも選手契約を締結できる権利をもつ選手のこと
▼ FAになるには...
セ、パ各リーグのペナントレース中に「145日以上」出場選手登録(=一軍登録)されたシーズンを1シーズンとして計算。
・合計8シーズンに達した時、「国内FA権」を取得(※2007年以降のドラフトで入団した大卒、社会人卒選手は7シーズンで取得)
・合計9シーズンに達した時、「海外FA権」を取得
※「145日」に満たないシーズンがある場合は、それらのシーズンの出場選手登録日数をすべて合算し、145日に達したものを1シーズンとして計算する。
※一度FA権を行使した選手は、その後出場選手登録が4シーズンに達したときに「海外FA権」を取得する。
2008年以降のFA宣言選手
<2008年>
▼ 海外FA
上原浩治 巨人 → オリオールズ
川上憲伸 中日 → ブレーブス
高橋 建 広島 → ブルージェイズ
野口寿浩 阪神 → 横浜
中村紀洋 中日 → 楽天
相川亮二 横浜 → ヤクルト
三浦大輔 横浜【残留】
<2009年>
▼ 海外FA
高橋尚成 巨人 → メッツ
五十嵐亮太 ヤクルト → メッツ
橋本 将 ロッテ → 横浜
▼ 国内FA
藤本敦士 阪神 → ヤクルト
藤井秀悟 日本ハム → 巨人
<2010年>
▼ 海外FA
建山義紀 日本ハム → レンジャーズ
土肥義弘 西武 → アメリカ独立リーグ
森本稀哲 日本ハム → 横浜
小林宏之 ロッテ → 阪神
藤井彰人 楽天 → 阪神
多村 仁 ソフトバンク【残留】
金城龍彦 横浜【残留】
▼ 国内FA
細川 亨 西武 → ソフトバンク
内川聖一 横浜 → ソフトバンク
関本賢太郎 阪神【残留】
後藤光尊 オリックス【残留】
<2011年>
▼ 海外FA
川崎宗則 ソフトバンク → マリナーズ
和田 毅 ソフトバンク → オリオールズ
岩隈久志 楽天 → マリナーズ
大村三郎 巨人 → ロッテ
村田修一 横浜 → 巨人
新井貴浩 阪神【残留】
▼ 国内FA
鶴岡一成 巨人 → DeNA
小池正晃 中日 → DeNA
杉内俊哉 ソフトバンク → 巨人
帆足和幸 西武 → ソフトバンク
ミンチェ 西武 → オリックス
篠原貴行 横浜【残留】
<2012年>
▼ 海外FA
藤川球児 阪神 → カブス
田中賢介 日本ハム → ジャイアンツ
中島裕之 西武 → アスレチックス
日高 剛 オリックス → 阪神
▼ 国内FA
平野恵一 阪神 → オリックス
寺原隼人 オリックス → ソフトバンク
<2013年>
▼ 海外FA
小笠原道大 巨人 → 中日
▼ 国内FA
久保康友 阪神 → DeNA
中田賢一 中日 → ソフトバンク
鶴岡慎也 日本ハム → ソフトバンク
山崎勝己 ソフトバンク → オリックス
涌井秀章 西武 → ロッテ
片岡治大 西武 → 巨人
大竹 寛 広島 → 巨人
<2014年>
▼ 海外FA
小谷野栄一 日本ハム → オリックス
金城龍彦 DeNA → 巨人
相川亮二 ヤクルト → 巨人
鳥谷 敬 阪神【残留】
▼ 国内FA
大引啓次 日本ハム → ヤクルト
成瀬善久 ロッテ → ヤクルト
能見篤史 阪神【残留】
金子千尋 オリックス【残留】
<2015年>
▼ 海外FA
今江敏晃 ロッテ → 楽天
木村昇吾 広島 → 西武
松田宣浩 ソフトバンク【残留】
田中浩康 ヤクルト【残留】
▼ 国内FA権
脇谷亮太 西武 → 巨人
高橋聡文 中日 → 阪神
※登録名、所属名はすべて当時のもの