11日から交渉解禁!
今年もいよいよストーブリーグが開幕。10日にはオフの目玉となるFA宣言者が日本野球機構より公示され、6名の選手がFA権の行使を宣言した。
ただし、この6名には“宣言残留”の西武・栗山巧を含んでいるため、市場に出回るのは栗山を除いた5名となる。ここでは交渉の解禁を前に、ここまでのFA戦線の動きをまとめてみた。
陽岱鋼(日本ハム)
生年月日:1987年1月17日(29歳)投打:右投右打
ポジション:外野手
経歴:福岡第一高-日本ハム(05年・高D1)
[今季成績] 130試 率.293(495-145) 本14 点61 OPS.789
[通算成績] 993試 率.273(3446-942) 本81 点385 OPS.732
今年の日本一チーム・日本ハムからFA宣言したのが陽岱鋼。当初は残留の可能性も報じられていたが、「自分と家族、球団がいい方向に向かうために行使を決めました」と涙ながらに宣言した。
これまでは陽の故郷である台湾に近く、また高校時代を過ごした第2の故郷である福岡に本拠地を置くソフトバンクが有力かと見られていたが、オフが近づくに連れてその声はあまり挙がらなくなった。
一方で興味を寄せていると言われているのが楽天。西武のエース・岸孝之に強い関心を持つチームであるが、近年なかなか固定できないセンターの穴を埋める存在として熱い視線を注いでいるという。
また、糸井嘉男というこのオフの目玉を抱えるオリックスも、陽の獲得準備を進めていることが報じられており、複数球団による争奪戦も見込まれている。
森福允彦(ソフトバンク)
生年月日:1986年7月29日(30歳)身長/体重:172センチ/66キロ
投打:左投左打
ポジション:投手
経歴:豊川高-シダックス-ソフトバンク(06年・大社D4)
[今季成績] 50試(27回) 2勝1敗16ホールド 奪三23 防2.00
[通算成績] 384試(330回1/3) 16勝14敗125ホールド 奪三303 防2.45
どの球団も欲しい左のリリーフ投手。加えて、高年俸選手の多いソフトバンクにおいてはチーム内年俸11以下の“Cランク”選手であるとみられており、補償がいらないことから一躍“投の目玉”に。
現時点では巨人が獲得に積極的な姿勢を見せており、先発の山口俊(DeNA)とともに注目投手の両獲りに乗り出すと言われている。
ただし、上述の通り左のリリーフというのはどのチームも欲しいところ。それで補償なしとなれば、争奪戦となっても不思議ではない。
糸井嘉男(オリックス)
生年月日:1981年7月31日(35歳)身長/体重:187センチ/88キロ
投打:右投左打
ポジション:外野手
経歴:宮津高-近畿大-日本ハム(05年・自)-オリックス
[今季成績] 143試 率.306(532-163) 本17 点70 OPS.849
[通算成績] 1166試 率.301(4153-1251) 本125 点525 OPS.852
球界の“超人”は今オフの目玉。「まだまだ伸びしろもあると思っている」と語り、「自分が成長できると思うところでやりたい」とさらなる挑戦に闘志を燃やした。
阪神が早くから獲得に乗り出す姿勢を見せており、残留をめざすオリックスとのデッドヒートが予想されている。果たして、今年の目玉はどこへ行く...?
山口俊(DeNA)
生年月日:1987年7月11日(29歳)身長/体重:187センチ/97キロ
投打:右投右打
ポジション:投手
経歴:柳ヶ浦高-横浜・DeNA(05年・高D1)
[今季成績] 19試(138回2/3) 11勝5敗 奪三121 防2.86
[通算成績] 367試(735回1/3) 39勝44敗111セーブ、24ホールド 奪三699 防3.29
DeNAの選手会長もFAを決断。悩んだ末に、今回のFA宣言者の中では最も遅い8日に権利の行使を発表した。
山口の動向を早くから気にしていたのが、同リーグのライバルである巨人。森福との両獲りで投手陣の強化をねらう。早期決着もあり得るだけに、交渉解禁となる11日から目が離せない。
岸孝之(西武)
生年月日:1984年12月4日(31歳)身長/体重:180センチ/77キロ
投打:右投右打
ポジション:投手
経歴:名取北高-東北学院大-西武(06年・希)
[今季成績] 19試(130回1/3) 9勝7敗 奪三104 防2.49
[通算成績] 226試(1521回) 103勝65敗 奪三1243 防3.05
レオのエースはこの5名の中で唯一となる海外FA権の行使。そのため、国内外問わずすべてのチームと交渉が可能となるが、現時点では国内移籍か残留となることが濃厚だ。
岸獲得に闘志を燃やしているのが楽天。かねてから獲得に挑む姿勢を見せており、交渉解禁すぐのアタックが噂される。
一方の西武も、『宣言残留』を認める構えでエースの決断を待つ。この2球団でのバトルとなるのか、はたまた他球団も参戦してきての争奪戦となるか。注目だ。