投手最高の栄誉
現地時間16日(日本時間17日)、今シーズンの「サイ・ヤング賞」受賞者が決定。ア・リーグはリック・ポーセロ(レッドソックス)が初、ナ・リーグはマックス・シャーザー(ナショナルズ)が自身2度目の栄誉を掴んだ。
「サイ・ヤング賞」とは、その年最も活躍した投手に贈られる“投手最高の栄誉”。全米野球記者協会(BBWAA)所属の30名による投票で受賞者が決まり、記者は1位から5位までを選出。1位に7点、2位に4点、3位に3点、4位に2点、5位に1点という配点で分け、合計得点が最も高かった投手が受賞者となる。
ちなみに、この投票は記名制となっていて、「誰が誰の名前を書いたのか」という部分も『BBWAA.com』にて公開される。
両リーグ最多22勝右腕が初受賞
ポーセロはレッドソックスに所属する27歳の右腕。タイガースからFAで加入して2年目となる今季は、33試合に先発して22勝4敗と大きく勝ち越し。キャリアハイとなる223回を投げて防御率3.15と安定したはたらきを見せた。
「今年のメジャーリーグで最も勝利を挙げた投手」であることや、完投3つを含む先発としての活躍ぶりが認められての初受賞。2位のジャスティン・バーランダー(タイガース)とはわずか5ポイント差という接戦を制した。
その他では、ストッパーのザック・ブリトンが4位にランクイン。先発投手に票が集まる同賞のなか、69試合の登板でリーグトップの47セーブをマークし、防御率は驚異の0.54。年間を通じてセーブ失敗が一度もないという完ぺき投球が票を集めた。
なお、ヤンキースの田中将大も7位タイにランクインしている。
【ア・リーグ投票結果】
137 pts.[8/18/2/1/1] リック・ポーセロ(レッドソックス)
132 pts.[14/2/5/4/3] ジャスティン・バーランダー(タイガース)
98 pts.[3/6/12/8/1] コリー・クルバー(インディアンス)
72 pts.[5/3/2/5/9] ザック・ブリトン(オリオールズ)
40 pts.[0/1/4/9/6] クリス・セール(ホワイトソックス)
14 pts.[0/0/3/2/1] J.A.ハップ(ブルージェイズ)
6 pts.[0/0/1/0/3] アーロン・サンチェス(ブルージェイズ)
6 pts.[0/0/0/1/4] 田中将大(ヤンキース)
3 pts.[0/0/1/0/0] アンドリュー・ミラー(インディアンス)
1 pts.[0/0/0/0/1] マイケル・フルマー(タイガース)
1 pts.[0/0/0/0/1] ホセ・キンタナ(ホワイトソックス)
※カッコは投票の内訳
史上6人目の“両リーグ受賞”
シャーザーはナショナルズに所属する32歳右腕。こちらもタイガースをFAとなり、今年で加入2年目だった。
今季は自身2度目となる20勝を挙げ、ナ・リーグの最多勝に輝く活躍。5月には史上4人目となる1試合20奪三振を達成するなど、284奪三振は両リーグ断トツ。30名中25名から1位で票を受けるという圧勝だった。
なお、これが自身3年ぶり2度目の受賞となるシャーザー。3年前はタイガースの所属だったため、今回で両リーグを制したことになる。ちなみに、“両リーグ受賞”はゲイロード・ペリー、ランディ・ジョンソン、ペドロ・マルティネス、ロジャー・クレメンス、ロイ・ハラデイに次ぐ史上6人目の快挙だ。
【ナ・リーグ投票結果】
192 pts.[25/3/1/1/0] マックス・シャーザー(ナショナルズ)
102 pts.[1/16/9/2/0] ジョン・レスター(カブス)
85 pts.[2/7/8/7/5] カイル・ヘンドリックス(カブス)
46 pts.[0/2/6/7/6] マディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)
30 pts.[2/0/1/5/3] クレイトン・カーショー(ドジャース)
19 pts.[0/0/3/3/4] ジョニー・クエト(ジャイアンツ)
18 pts.[0/1/1/1/9] ホセ・フェルナンデス(マーリンズ)
15 pts.[0/1/1/3/2] ノア・シンダーガード(メッツ)
2 pts.[0/0/0/1/0] ジェーク・アリエッタ(カブス)
1 pts.[0/0/0/0/1] タナー・ロアーク(ナショナルズ)
※カッコは投票の内訳
リック・ポーセロ
<今季成績>
試合数33(先発33) 完投3 投球回223 勝利22 敗戦4
奪三振189 被安打193 被本塁打23 与四球32 与死球13
失点85(自責78) 防御率3.15 WHIP1.01
マックス・シャーザー
<今季成績>
試合数34(先発34) 完投1 投球回228・1/3 勝利20 敗戦7
奪三振284 被安打165 被本塁打31 与四球56 与死球6
失点77(自責75) 防御率2.96 WHIP0.97