ルーキー・高山が136安打
金本知憲監督が就任した今季、阪神は“超変革”を掲げて1年間戦った。これまではベテランに頼っていたチームだが、今季は若手を積極的に起用。Bクラスに沈んだが、チャンスをもらった若虎たちも監督の期待に応えようと結果を残した。
ドラフト1位ルーキー・高山俊は“超変革”の象徴的存在だった。3月25日の中日との開幕戦に「1番・左翼」で先発出場すると、初打席で初安打をマーク。一時調子を落とした時期はあったが、1度も二軍落ちすることなく、134試合に出場。阪神の新人では新記録となる136安打を放ち、シーズン13度の猛打賞は長嶋茂雄氏が持つ14度に次ぐ歴代新人2位を記録した。新人ではあったが、チームに欠かせない存在感を発揮している。
今季育成選手から再び支配下登録に復帰した原口文仁、4年目の北條史也も忘れてはならないだろう。原口は4月27日に支配下選手に復帰すると、同日の巨人戦で一軍デビューを果たし、2打席目でプロ初安打を記録。5月に、打率.380、5本塁打、17打点の活躍で、野手の育成経験者では初の月間MVPに輝くなど、飛躍を遂げる1年となった。
北條は昨季までの3年間で、一軍出場は1試合にとどまったが、今季は122試合に出場。シーズン後半から開幕から状態があがらなかった鳥谷敬に代わってショートのポジションでスタメン出場するなど、レギュラーに近い存在になっている。来季はポジションを獲得したいところだ。
【今季活躍した主な若手野手】
高山俊
今季成績:134試 率.275 本8 点65
北條史也
今季成績:122試 率.273 本5 点33
原口文仁
今季成績:107試 率.299 本11 点46
投手は岩貞が10勝
投手陣は13年ドラフト1位の岩貞祐太が、プロ3年目の今季ブレイクした。昨季までプロ通算2勝だった左腕だが、今季は開幕ローテーションを掴むと3・4月、2勝1敗、防御率0.79を記録。5月も月間防御率1.00と抜群の安定感を誇っていたが、6月以降は疲れからか黒星が先行。それでも9月・10月だけで5勝を挙げ、自身初となる2桁勝利を達成した。
ルーキーの青柳晃洋も良いはたらきを見せた。変則的なサイドスローが特徴的な青柳は制球で苦しんだが、4勝をマーク。巨人戦は1勝3敗と負け越したものの、東京ドームの巨人戦は2試合に登板して、1勝1敗、防御率0.71。長野久義を通算9打数0被安打、坂本勇人は6打数1被安打と巨人の主力打者をしっかりと封じた。
その他、今季は目立った活躍ができなかったが岩崎優、ルーキーの望月惇志など期待の若手が多い。来季も若虎たちが躍動すれば、近い将来楽しみなチームになるはずだ。
【今季活躍した主な若手投手】
岩貞祐太
今季成績:25試 10勝9敗 防2.90
青柳晃洋
今季成績:13試 4勝5敗 防3.29
松田遼馬
今季成績:22試 1勝0敗 防1.00