一軍初出場は11人!
今シーズンから金本知憲新監督の下で新たなスタートをきった阪神。帰ってきたアニキを先頭に猛虎復活を目指したが、64勝76敗3分で最終成績は4位。4年ぶりにクライマックス・シリーズの出場権を逃した。
そんな今季の阪神について、よく見聞きした言葉といえば『超変革』である。
近年の課題として“世代交代”が叫ばれてきたが、金本監督は若手を積極的に起用した。新指揮官の下で一軍デビューを果たした選手は以下の通り。
<投手>
田面巧二郎(12年ドラフト3位)
4試(4回1/3) 0勝1敗 防御率6.23
守屋功輝(14年ドラフト4位)
4試(8回1/3) 0勝1敗 防御率8.64
望月惇志(15年ドラフト4位) ☆
1試(1回) 0勝0敗 防御率0.00
青柳晃洋(15年ドラフト5位) ☆
13試(68回1/3) 4勝5敗 防御率3.29
<捕手>
原口文仁(09年ドラフト6位)
107試 364打席 95安打 打率.299
坂本誠志郎(15年ドラフト2位) ☆
28試 55打席 9安打 打率.200
<内野手>
陽川尚将(13年ドラフト3位)
29試 77打席 12安打 打率.167
植田 海(14年ドラフト5位)
1試 打席なし
<外野手>
横田慎太郎(13年ドラフト2位)
38試 109打席 20安打 打率.190
高山 俊(15年ドラフト1位) ☆
134試 530打席 136安打 打率.275
板山祐太郎(15年ドラフト6位) ☆
40試 115打席 25安打 打率.236
☆はルーキー
『超変革』の成否がわかるのは……
今年新たに一軍デビューを果たした選手は、オリックスの13人に次いで多い11人。そのうち一軍初出場を記録した投手の合計登板数は22で、投球回は82。登板数は12球団で4番目に少なく、投球回は5番目に少なかった。
一方、一軍初出場を記録した野手の合計試合数377、打席数1250はともに12球団でダントツである(2位のオリックスで207試合、584打席)。
これに加え、昨季まで1試合・1打席の出場しかなかった北條史也(12年ドラフト2位)が122試合に出場。438打席に立って105安打、うち5本が本塁打で打率.273と台頭してきた。
こういった数字の面から見ていくと、『超変革』の跡がよく分かる。特に守備での衰えが目立ってきた鳥谷敬をショートからサードにコンバートするなど、あらゆる面で金本監督は阪神を生まれ変わらせようとしたシーズンであった。
ただし、チーム防御率3.38はセ・リーグ2位の成績も、チーム打率.2445は12球団ワーストの数字。この数字を見る限り、打撃陣に多くの課題があるのは明らかだ。
今年多くの経験を積んだ若手が、来年以降にどれだけ生かすことができるのか...。若手だから起用されるという時間は、そう多くない。
2016年、金本新監督によって撒かれた種はいつ花を咲かせるのか。これから大いに期待したいところである。
文=京都純典(みやこ・すみのり)