「本当に悔しい」
オフを迎えたプロ野球。12月が近づくに連れて、徐々に“お金”にまつわる話題も増えてきた。
大物選手は後からというのが普段の流れではあるが、西武は21日に中村剛也と契約を更改。2013年オフに4年総額20億円と言われる大型契約を結んでいるため、現状維持の4億1000万円(推定)。来年がその複数年契約のラストイヤーとなる。
本人が「評価できる数字じゃない。なかったことにしたい」とまで語った今シーズンは、108試合の出場で打率.238、本塁打は21本で打点61というもの。大型契約を結んで以降、すべてにおいてワーストの数字だ。
チームも3年連続のBクラスに終わり、「本当に悔しい。最低最悪のシーズン」と振り返る主砲。個人としても、チームとしても来年に賭ける思いは強い。
この3年間のはたらきぶりは...
2001年のドラフト2位で西武に入団した中村は、これまで15年間のキャリアで6度の本塁打王に輝いた球界屈指のアーチスト。規定打席に到達した年はすべて本塁打王を獲得しているという伝説も継続している。
ほかにも打点王3回、ベストナインは6回選出という日本を代表する強打者。西武はそんな主砲をどうにかしてチームに留めておくべく、2013年のオフに超大型契約を結んだ。
だが、これも人間の性なのか、複数年契約を結んでから成績を落としてしまう選手というのは少なくない。以下は中村のここ3年間の成績である。
▼ 直近3年の中村剛也
2014年:111試合 打率.257(382-98) 本塁打34 打点90
2015年:139試合 打率.278(521-145) 本塁打37 打点124
2016年:108試合 打率.238(387-92) 本塁打21 打点61
2014年から2015年には2年連続で本塁打王にも輝き、2015年はキャリアハイの打点124をマーク。成績を落としたと言ってしまうのも酷だが、この3年をトータルで見た時に期待した通りのはたらきを見せているかというと疑問符が付く。
あの強い西武をもう一度
特に、中村の場合はチームにおける絶対的な主砲。4番の活躍がチームの浮沈を大きく左右するだけに、男に求められるものは多く、そして大きい。
かつての常勝球団も、2008年を最後に8年も優勝から遠ざかっている。そして気がつけば、当時の主力であった片岡治大や中島宏之、細川亨、涌井秀章、岸孝之といった“戦友”は次々にチームを離れていった。
来年でプロ16年目。同期の栗山巧とともに、在籍年数は最長になる。あの強い西武をもう一度...。2017年の中村には、個人・チーム両方の結果が求められる。
▼ 中村剛也
生年月日:1983年8月15日(33歳)
身長/体重:175センチ/102キロ
投打:右投右打
ポジション:内野手
経歴:大阪桐蔭高-西武(01年D2)
[今季成績] 108試 率.238(387-92) 本21 点61
[通算成績] 1317試合 率.256(4463-1141) 本330 点890
☆本塁打王
(2008、2009、2011、2012、2014、2015)
☆打点王
(2009、2011、2015)