森福は巨人入りへ
ソフトバンクからFA宣言した森福允彦の巨人入りが濃厚となった。
森福は06年大学生・社会人ドラフト4巡目でソフトバンク入り。入団から3年間は一軍での登板は26試合にとどまったが、4年目の10年に36試合に登板して一軍に定着。11年から14年まで4年連続で50試合以上に登板し、ソフトバンクのブルペンに欠かせない存在となった。
昨季は成績不振で32試合の登板にとどまり、防御率も5.82と精彩を欠いたが、今季は開幕から21試合連続無失点を記録するなど、50試合に登板して防御率2.00と復活した。
特に左打者には無類の強さを誇り、14年には対左打者の被打率が.170(100-17)、今季も.242(91-22)。日本ハムとのクライマックス・シリーズ第3戦では、西川遥輝、中島卓也、大谷翔平を三者三振に打ち取る圧巻のピッチングを披露した。
交流戦での対左打者の成績
そこで気になるのが、セ・リーグに在籍する左打者との対戦成績だ。
交流戦の左右別成績
【2011年】
左:被打率.273(11-3)
右:被打率.227(22-5)
【2012年】
左:被打率.143(7-1)
右:被打率.222(18-4)
【2013年】
左:被打率.222(9-2)
右:被打率.143(7-1)
【2014年】
左:被打率.143(14-2)
右:被打率.348(23-8)
【2015年】
左:被打率.500(6-3)
右:被打率.125(8-1)
【2016年】
左:被打率.125(8-1)
右:対戦なし
当然サンプル数は少ないが、交流戦における対左打者の成績を見てみると、シーズン中の成績も振るわなかった15年は被打率.500(6-3)という結果に終わったが、その他のシーズンは上々の結果を残している。
今季は自己最多の20本塁打を放った丸佳浩(広島)、本塁打と打点の二冠王に輝いた筒香嘉智(DeNA)、昨季の首位打者・川端慎吾といったセ屈指の左打者を打ち取るなど、被打率.125(8-1)と結果を残した。
また、セ・リーグ各球団の主力左打者との対戦成績(11年以降)を見ると、今季の対戦で三振を奪った筒香に対して被打率.000(4-0)、川端も被打率.000(2-0)、15年に本塁打を許した丸に対しては、被打率.333(3-1)となっている。
巨人の左のリリーフといえば、9年連続60試合に登板を継続中の山口鉄也がいるが、今季は防御率4.88と精彩を欠いた。それだけに、ワンポイントに1イニング、ときには回またぎと、色々な形で起用できる森福の非常に存在は大きい。新天地でも、“勝利の方程式”の一角として結果を残すことが求められる。