2球団による一騎打ちへ!
今オフ最後の大物、陽岱鋼の周囲が慌ただしくなってきた。
先月までは楽天とオリックスによる戦いと見られたところに、セ・リーグから巨人が参戦。6日には陽岱鋼サイドがオリックスへ断りを連絡を入れたことが明らかとなり、楽天と巨人の一騎打ちとなった。
楽天はFA市場の投手の目玉・岸孝之の獲得に成功。一方の巨人も山口俊、森福允彦という実績十分の投手を2枚獲得しており、共に充実した秋~冬を送っている。最後の締めくくりへ、年越し前の最終決戦から目が離せない。
星野副会長のラブコール
岸を獲得した楽天だが、星野仙一副会長は出演した番組にて「50点くらい」と、ここまでの補強について辛口のジャッジ。陽岱鋼の話を振られると「ほしいですよ」と率直な気持ちを吐露した。
「本社(楽天)が台湾とものすごく商売もしていますし、仙台空港は台湾と直通が行き来している」と副会長。「台湾のスーパースターですから、そのファンが大勢台湾や東北に来てくれたら」と戦力面以外での貢献にも多大な期待を寄せる。
また、そんな中で台湾出身の育成投手であるソン・チャーホウが登録名を変更。このタイミングで「宋家豪」と漢字表記となったことで、「陽岱鋼を迎え入れるのに違和感のないように準備しているのでは...」という見方も挙がっていた。
低迷から脱するための起爆剤として、様々な側面からチームに好影響をもたらすことができる男。楽天が見せる積極補強の最後の1ピースとなるか、注目だ。
史上初のFA3人獲得へ!
積極的な姿勢を見せている楽天であるが、それ以上にこのオフ勢いを見せているのが巨人だ。
雪辱に燃える来季へ向けて、まずは注目投手の山口俊と森福允彦をWゲット。さらに陽岱鋼の獲得にも名乗りを上げ、かなりの好条件でこの争いをリードしているとも伝えられている。
実は一般的にFAでの選手獲得は2名までとされているが、選手補償の要らないCランクの選手にはそれが適用されないルールとなっている。そのためCランクの森福はその制限にかからず、前代未聞のトリプルゲットが可能となったのだった。
その巨人も、今秋のドラフト会議では7位で隠し玉の台湾人投手・廖任磊(リャオ・レンレイ)を指名。さらに11月20日には、台湾の台中インターコンチネンタル野球場で「台湾OB選抜 vs 巨人OB選抜」のチャリティーマッチが開催された。
もちろん、これらすべてを陽岱鋼の獲得へ向けた動きとくくるのは無理があるのだが、一騎打ちを繰り広げる両球団から台湾に寄り添う動きが短期間で立て続けに見られたのは興味深い。
今オフ最後の目玉はどこへ――。陽岱鋼の行方から目が離せない。